今回はストップ高・ストップ安について解説します。
ストップ高・ストップ安はその時々の相場を見るのに非常に役立つのでこの機会に是非押さえてみてください。
ストップ高・ストップ安とは何か?
ストップ高・ストップ安とは値幅制限まで株価が上昇または下落することを言います。
株価の値動きの幅は、ある一定以上もしくは一定以下にならないように制限されています。これを値幅制限と言います。
例えば1000円の株を買ったとしても、この株が次の日に1万円まで上昇することはありません。また、逆に百円になるようなこともありません。
株価が1000円の場合、値幅制限が±300円までと決まっていて、株価が上昇しても1300円まで、下落しても700円までで止まってしまいます。
このようにして、株価の異常な値動きを防ぐために、株価が1日に変動できる上下の幅が制限されているんですね。
初めにも言いましたが、この値幅制限まで株価が上昇することをストップ高、下落することをストップ安と言います。
値幅制限の目的
値幅制限が設けられているのはなぜなのでしょうか?その目的は大きく3つあります。
株価の過剰な動きを抑制する
1つ目は株価の過剰な動きを抑制するいうことです。株価が暴騰・暴落する時というのは過剰に下げたり、上げたりしてしまう場合が多いです。
そういった場合にも値幅制限の設定により、異常な値動きを防ぐことができます。もちろん値幅制限があったとしても暴騰・暴落は起きますが、値幅制限がない場合に比べると確実に株価の値動きは安定していると言えます。
投資家を保護する
2つ目は投資家を守るということです。値幅制限を設けることで、投資家が異常な値動きによって甚大な損失を被ることを防いでいます。もちろんストップ安を設けていても損失が膨らむことはありますが、値幅制限があるのとないのとではかなり違ってきます。
正常な判断力の失われた取引を抑制する
3つ目は心理的なサポートをする役割です。値幅制限というリミッターが存在するということによって投資家の恐怖心理や過熱心理がやわらげられます。そのため、正常な判断力の失われた取引を抑制するという効果が期待できます。
ちなみにアメリカの株式市場には値幅制限がない、つまりストップ高、ストップ安がないので投資をする際は注意しましょう。
値幅制限はどうやって決まるのか
値幅制限の範囲は前日の終値で決まります。前日の終値の価格帯によってそれぞれ値幅制限が異なります。
下の表は前日の終値と値幅制限ををまとめたものです。

基本的にはこの基準に基づいて値幅制限が設けられますが、買い注文もしくは売り注文が極端に多い場合には値幅制限がさらに拡大される場合があります。
次の条件を満たした場合値幅制限の上限、もしくは下限が2倍に拡大されます。
- 3営業日連続でストップ高もしくはストップ安を記録
- 3営業日連続で出来高が0
出来高が0というのは株の売買が一切行われていないということです。買い注文もしくは売り注文が極端に多いと売買注文数が合わず、取引が成立しないことがあります。
そうした場合まずは比例配分という方法で株の売買を成立させるのですがそれでも成立する株数が足りないような場合に、出来高が0となります。
比例配分とは
株価は通常売り注文と買い注文の株数が同じになったところで決まります。しかし、売りと買いのいずれかに注文が殺到して、株価がストップ高、もしくはストップ安となると、売買注文数が合わず成立しない取引が出てきます。そういった場合には比例配分(ストップ配分)という方法で売買を成立させます。
比例配分では成立した株数を注文数量の多い証券会社から順番に1単位ずつ配分します。そして証券会社は割り当てられた株を投資家たちに配分していきます。
この配分ルールは証券会社によって異なりますが、多くの証券会社では注文時刻を優先しています。ただし松井証券やGMOクリック証券などのように注文数を優先している証券会社もあるので注意が必要です。ストップ高やストップ安で取引できる確率を上げるために証券会社を使い分けるのもありだと思います。また、注文時刻優先が多いので、情報をいち早く入れることも大切になってきます。

どんな時にストップ高・安になるのか
ここまでストップ高・ストップ安についてお伝えしましたが、どういった時にストップ高やストップ安が起きやすいのでしょうか?
ストップ高・ストップ安が起きやすいのは大きく3つの場合です。
- 企業が業績の修正を出したとき
- 株主還元の方針が発表されたとき(減配・増配など)
- 大きな成果または失敗があったとき
こういった場合に株価が大きく動くのは、分かると思いますが、より早く、正確に情報を入れていくことが大切になってきます。また、こういった場合以外にも米国の株価に連動したり、政治と関連して動いたりするので、そういった情報を取り入れていくことや、その日のストップ高・ストップ安の銘柄を毎日チェックすることも重要です。
まとめ:ストップ高・ストップ安から相場を掴もう!
- ストップ高・ストップ安とは値幅制限まで株価が上昇または下落すること
- 値幅制限によって異常な値動きを抑制している
- 値幅制限は前日の終値で決まる
- 比例配分で売買が成立する
- 特定の場合にストップ高・ストップ安が起きやすい
ストップ高についてかなり理解が深まったのではないでしょうか?そして株への理解も深まったと思います。今日からでもその日のストップ高・ストップ安の銘柄を確認する習慣をつけるようにしてみてください。
記事を通して少しでもお役に立てたら嬉しいです。