今回は投資では珍しいローリスクハイリターンなIPOについてまとめて解説します。
ローリスクハイリターンであるため、株初心者にも人気のある投資対象になっているので、株初心者の方、これから株を始められる方の参考になれば思います。
IPOとは何か?
IPOとはまだ市場に出回っていない株のことで、身近で例えるなら発売される前の商品のようなものです。
Initial Public Offeringの頭文字をとったもので、日本語では新規公開株といいます。
正確には株のことではなく株を買う権利なのですが、あまり変わりないので株自体と考えてもらって大丈夫です。
そしてこのIPOは証券会社から買うことで手に入れることができます。
IPOのメリット
まずIPOのメリットについてですが、IPOには株価が上がりやすいというメリットがあります。
任天堂スイッチが販売されたとき、売り切れてしまって、ネットなどでは定価を上回る金額で売買されました。それはなぜかというと、スイッチの数に対して、買いたいという人の数が多かったからです。
それと同じことがIPOでもおきます。企業の発行する株というのは枚数が決まっているので、枚数に対して株を買いたいという人の数が多くなれば必然的に株価は上がってしまいます。
また、実際に過去の事例を見ても株価は上昇しているケースが多く下がった銘柄は少ないです。
IPOのデメリット
IPOのデメリットは買えるか分からないということです。
先ほどお伝えしたようにIPOにはかなりの魅力があるので、多くの投資家がIPOを求めます。
そのため、公平に抽選が行われて、当選したらIPOを買うことができるという仕組みになっているのですが、倍率が高く、抽選で落ちてIPOを買えなかったということが多いです。
実際の倍率としては小型IPOが0.5%程度、大型IPOで10%程度であると言われています。
思っていたより確率が低いと思われた方多いかと思います。
ただ抽選に申し込むのは無料ですし、メリットを考えればやるだけの価値はあると思います。
IPOの注意点
これまでIPOはかなりの確率で株価が上がりましたが、今後絶対に上がるという確証はありません。
そのため、IPOだからといって全てを買おうとするのではなく、その企業が本当に投資家達が株を買いたいと思えるような魅力的な企業なのかということをある程度調べておく必要があります。
IPOでどのくらい儲かる?
では実際にIPOを買ってどれだけの利益が出たのかを、フリーとウィルズの2社を例に挙げて見ていきたいと思います。
フリー(4478)

まず1社目はフリーというクラウド会計ソフトを扱う会社です。上の画像は2019年12月に上場してからの株価の推移です。
IPOでの株価は1株2000円でした。もちろん証券会社によっては1株からでも買える場合がありますが、基本的に株は100株からの購入が主流なので100株買ったと仮定すると、20万円でIPOを買ったということになります。
そしてフリーの初値は1株あたり500円も高い2500円でした。100株単位だと20万円だったものが25万円となったので5万円の利益が生まれたということになります。

ウィルズ(4482)

2社目はウィルズという株主プラットホームを提供する会社です。上の画像がウィルズの株価の推移です。完璧に『コロナショック』を体現しています。
IPOでは960円だったものが4535円、100株単位では約10万円のものが45万円となって、36万円の利益を生み出しました。

ただウィルズのように4倍以上になるケースというのは極めて珍しいので、あくまで一例として参考にしてみてください。全部こうなると思い込むのは非常に危険です。
IPOを買う方法
ここまで理解された方は少しIPOに興味が湧いたのではないでしょうか?ここからはIPOを買う方法について軽くお伝えします。
IPOを買うまでの流れは以下のようになります。
- 証券会社の口座を作る
- 入金する
- IPO抽選に申し込む
証券会社の口座を作る
IPOはIPOの配分がある証券会社でしか買うことができません。というのも最初にお伝えしたようにIPOには限りがあるので、全ての証券会社に行き渡るということがないからです。
一般的にSBI証券や野村證券のような大手証券会社にIPOが割り当てられることが多いです。
大手の証券会社は上場もしている企業ですから詐欺のような行為をすると信用がなくなって倒産する危険性が非常に高いので、口座を作るなら安全とIPO配分の両面からみて大手証券会社がおすすめです。

上の画像は大手証券会社のIPO実績、つまり何社のIPO配分があったかを比較したものです。SBI証券が1番、ついで大和証券が2番ですね。
ただ、単元未満株つまり100株以下で購入をするとなると、SBIネオモバイル証券、ワンタップバイ、LINE証券といった証券会社でしか購入ができません。
100株でも買えそうというかたはSBI証券か大和証券、100株未満で買いたいという方はワンタップバイかSBIネオモバイル証券がおすすめです。
SBIネオモバイル証券は私も利用しているので口座の開設について解説しています。他の証券会社と比較した上で上手く活用していただければと思います。
また、口座開設で注意したいのが以下の2点です。
- 早めに口座開設をしておく必要がある
- 口座に買う資金を入金しておく必要がある
- 複数の口座を作れば当選確率が上がる
1、口座開設の手続き自体はすぐに終わりますが、実際にIPOの抽選に参加するまでには1週間程度時間がかかります。ですからIPOを買おうと思ってすぐに口座を開設しようと思っても申し込み期間に間に合わない可能性があります。
今後IPOを買う予定がある方、株で資金の運用をしていこうと思っている方は前もって口座開設をしておいた方が楽だと思います。
3、口座にIPOを買えるだけのお金が入っていないと申し込み条件をクリアできずに、IPOの抽選に参加できない場合があります。
申し込みをする前に十分な資金があるかを確認しましょう。
4、応用ですが、IPOの当選確率を上げるためには申し込む数を増やすというのが効果的です。
ですから、負担がない程度に口座をいくつか作っておいて複数の口座から申し込むというのもありだと思います。
逆にいうとIPO投資は多くの方が複数の口座で抽選に臨んでいる場合が多いので作っておかないと不利になる可能性もあります。
口座に入金する
口座を作ったら入金をしましょう。入金の仕方は各証券会社によって異なると思いますのでそれに従ってください。
買いたいIPOに必要なだけのお金を入金しておきましょう。
IPO抽選に申し込む
入金まで終わったらIPO抽選に申し込みましょう。
申し込み期間内に申し込みをしたら抽選が行われます。落選すれば、何も変化なしですが(虚しい)、当選すれば、当選後に意思表示をして株を買うことができます。
IPOを買った後はどうする?
今までIPOを買うまでの流れについてお伝えしました。では実際にIPOが買えたらどうしたらいいのでしょうか?もちろん最終的には売るわけですが、いつ売りますか?
例えば例にあげた2社を比較してみると、フリーは上場したあと(最初)よりも現在の株価の方が4倍近く高くなっています。ですから、すぐに売るのではなく、しばらく保有してから売るというのが一番利益が出たわけです。

一方でウィルズは上場した後(最初)の株価の3分の1程度まで下がってしまっています。フリーとは対照的ですね。

どちらの株も最初に売ればそれだけで利益を出せたわけですが、フリーに関しては保有を続けることで更に株価が上がりました。IPOを買ってたら次はいつ売るかという問題が生まれるわけです。
一般にIPO初日の初値で売るのがいいと言われています。ほとんどの確率で利益が出ているわけですから、売らない手はないということですね。そして私も初値で売るというのをおすすめします。
上場ゴールとは何か?
上場ゴールという言葉があります。これは上場後が高値でそこから下がっていくということを皮肉っているのですが、こういった言葉が生まれるくらいに、上場後からすぐに株価が下がってしまう企業が多いんです。
ですから、初値で売ってしまうのがいいと思います。もちろんその企業が将来とても有望なのであれば保有を続けるのもいいと思います。

まとめ:IPOに応募してみよう!
- IPOとはまだ市場に出回っていない株のこと
- IPOは株価が上がりやすい
- 抽選で買える
- 大手証券会社の方がIPO業績がいい
- 100株未満ならワンタップバイかSBIネオモバイル証券
- 口座を作る→入金する→申し込むをするの手順が必要
- 買えたら初値で売るのが無難
IPOについて理解が深まったのではないでしょうか?IPOはローリスクハイリターンでとても魅力的ですよね。ただ、投資の世界には基本的にローリスクハイリターンというのはありません。IPOが例外であるということを理解して、他にローリスクハイリターンの投資の話を持ちかけられても必ず疑うようにしていただければと思います。
記事を通して少しでもお役に立てたら嬉しいです。