株を始められる方の中には株主優待に魅力を感じられた方も多いのではないかと思います。株主優待は確かに魅力的ですが、株主優待を目当てに株を買うのは場合によっては注意が必要です。そこで今回は株初心者の方でも株主優待を目当てに株を安心して買うことができるように、注意点とその対策方法について簡単に解説していきます。
株主優待を狙う際の注意点
今回お伝えする株主優待を狙う際の注意点は以下の3つです。
- 権利確定前後の下げ
- 優待内容の変更
- 配当利回り
注意点1:権利確定前後の下げ
1つ目の注意点が権利確定前後の株価の下落です。
株主優待は株を買った日にもらえるわけではなく、権利確定日の2営業日前から権利確定日にかけて株を所有していることによってもらえる仕組みになっています。
つまり1年間のうち権利確定日の2営業日前までに株を買って、権利確定日の間だけ保有していれば大丈夫なわけです。そうなると、株主優待が魅力的な銘柄では、権利確定日にかけて株を買おうとする人が増えてくるのは想像できるのではないかと思います。
実際に株主優待が魅力的な銘柄では権利確定日の数ヶ月前から株価が上昇する場合が多いです。
そして株価が上昇するということは利益が出るというわけですから更にその上昇を狙った個人投資家も入ってきます。
少しややこしいと思うので図を使って解説します。

上のチャートはは株主優待で有名なオリックス(8591)で、『権利確定日』というところが株主優待の権利確定日になっています。
まず『株主優待目当ての買い』という赤い矢印は株主優待を受け取るためにオリックスの株を買おうという人による買いを示しています。
次に『株主優待を狙った短期投資の利益確定』ですが、これは先ほどお伝えしたように株価の上昇を狙った短期投資の利益確定による株価下落を意味しています。(利益を得るために株を売ったら株価は下がるからです)
最後に権利確定日を過ぎた後の『株主優待目的の売り』ですが、これは株主優待を受け取った後に株を売ってしまう人による株価下落です。
上のチャートがどのようなことを意味しているのかは大体理解できたのではないかと思います。前置きが長くなりましたが、ここでお伝えしたい注意点は、株主優待目当てで権利確定日前に株を買うと高くで買ってしまう危険性があるということと、権利確定日以降に株を売ると安くで売ってしまう危険性があるということです。
権利確定後の下げに対する対処法
ではどうするかということですが、割安な時に買って長期保有する、またはクロス取引を行うのがおすすめです。
クロス取引に関してはこちらの記事で解説しています。

先ほどのチャートで言えば上の赤丸の部分で割安で株を買うことができますね。
こういった株価が下がっている時に買うことができれば、権利確定前後で株価が上下しても損をする可能性は低くなります。
また、こういった株価が下落するタイミングですが、優待の魅力的な銘柄を見てみると権利確定日の1〜3ヶ月の間にあります。(もちろん銘柄によって違ったり、その時々の状態によって変化すると思いますが)
ですから株主優待を狙う場合は最低でも3ヶ月前から割安で買えるタイミングを伺っておく必要があります。また資金に余裕がある場合は1年を通してそういったタイミングを伺っておくと更に割安で買うことができると思うので検討してもらえればと思います。
注意点2:優待内容の変更

2つ目の注意点が優待内容の変更です。多くの方は株主優待の情報を他のサイトやYouTube、雑誌などで得られた、または得られると思いますが、そういった情報の中にはすでに過去の情報も混ざっています。例えば雑誌などは特に情報が古い場合が多いです。(2〜3ヶ月以上前の情報はザラです。)
そういった情報をもとに優待を探してしまうと場合によっては優待がなくなっていたり、優待の内容が変更されていたりすることがあります。
優待内容が変更される場合への対処法
簡単な話ですが、確認をするようにしましょう。特に最近業績が良くなさそうだと感じた時には優待の内容が変更されている場合があるのでしっかりとチェックをした方がいいです。
また、まとめサイト等で見るよりも企業のホームページで確認する方が正確なのでそちらをおすすめします。

上の画像はオリックス(8591)のホームページの株主優待のページです。
『投資家情報』→『個人投資家の皆さん』→『株主優待』の順で見つけることができます。少し面倒に感じたり、企業によっては見つけにくいところもあったりするかもしれませんが、1次的な情報を得るのはやはり大切だと思います。
まとめサイト等で軽く確認してからでいいので、内容に相違がないかは確認しておいた方がいいと思います。また、株主優待がない銘柄はそういったページが設けられていないので注意が必要です。
注意点3:配当利回りを確認する
3つ目の注意点が配当利回りです。株主優待の魅力的な銘柄となるとやはり優待の内容に目が行きがちですが、配当利回りもしっかりとみた方がいいかと思います。
例えば10万円で5000円分相当の優待と1%の配当を得られる銘柄と、10万円で3000円分相当の優待を4%の配当を受けられる銘柄があったとすると、
優待と配当を合計した利益は前者で6000円、後者で7000円になり、後者の方がお得になります。
このように配当利回りも株主優待と同等もしくはそれ以上に利益になる場合があるので、株主優待だけでなく配当利回りも含めたトータル的な利益を判断する必要があります。
もちろん、ちょっとした損得まで計算する必要はないので、比較にかかる時間がもったいないと感じるなら無理してする必要はないと思います。あくまで参考程度に考えていただけたらと思います。
配当利回りを確認するための対処法

対処法は先ほど述べたとおりで優待だけでなく、配当利回りも含めて利益を計算することです。ただ、この計算が面倒だと思います。
そういった方はみんかぶの配当+優待ランキングを利用することで簡単に総合的な利益の大きい銘柄を探すことができるのでおすすめです。
利回りが100%を超えている銘柄などあまりに利回りが高いものはあまり魅力的でないものが多いと思うので(失礼)、配当利回りが20%以下のものから選んでいくと更に時間短縮になると思います。
まとめ:株主優待で株の魅力を知ろう!
- 権利確定日前後の株価の下落に気を付ける
- →前もって割安で買えるタイミングを伺っておく
- 優待内容の変更に気をつける
- →企業のホームページから1次的な情報を得る
- 配当利回りも込みで利益を計算する
- →みんかぶの配当+優待ランキングで絞り込んで選ぶ
いかがだったでしょうか?優待を狙って株を買う方の参考になればと思います。また、今は株主優待に魅力を感じられる方も多いかと思いますが、慣れてきたら先ほどお伝えした投資家のように株主優待を利用した短期投資なども検討してみてはと思います。
記事を通して少しでもお役に立てたら嬉しいです。