今回は初心者を抜け出すために必須のスキル『打診買い』について解説します。
株を続けるならまず覚えておく必要のあるスキルなのでこの機会に是非押さえてもらえればと思います。
打診買いとは何か?

打診買いとは、資金の一部で株を買うことです。
打診買いをすることで、株価が動いた結果に応じて買い増すのか、ナンピンするのかなど対策ができるようになります。
ナンピンとは、株を買ってから株価が下落した際に、買い増しを行うことです。ナンピンをすることで、平均所得株価、つまり株をかった値段が全体として下がるので、損失を小さくしたり、利益を大きくしたりする効果があります。
打診買いで使う資金量の目安

打診買いは資金の何%で行うとは具体的に決まっていませんが、打診買いは資金の8%程度の資金の範囲内に収めることをおすすめします。
この『8%』という資金量の目安は、3銘柄に分散投資をすると仮定したときに、各銘柄にナンピン余力を打診買いの3倍持たせることができる数値となっています。
ナンピン余力とはナンピンや買い増しをするための資金の余力のことです。ナンピン余力が小さいと、ナンピンや買い増しの効果が小さくなってしまうため打診買いの良さが薄れてしまいます。
3銘柄に資金を分散→各銘柄に33%の資金
33%の資金からナンピン余力を打診買いの3倍持たせるとすると、
打診買いの資金量:ナンピン余力=8%:25%(合計で33%)
もちろん、保有している銘柄数や確保しておきたいナンピン余力によって打診買いで使う資金量の目安は変わってきますが、特にこだわる理由もないという方は、まずは資金の8%を打診買いの資金量の目安にしてみてください。
打診買いのメリット

打診買いのメリットはリスクを回避できるということです。
例えば、ある銘柄にナンピンや買い増しの余力を残さずに資金を投入したと仮定します。
そうすると、株価が上がった時にはかなりの利益が見込めるかもしれませんが、損をするときもかなりの損を被ってしまいます。
一方で、打診買いをして、株価の値動きを見てからナンピン、または買い増しをした場合、得られる利益は先ほどと比較すると減ってしまいますが損もかなり押さえることができます。
つまり打診買いをすることでリスク回避の性質が大きくなるんですね。
逆に打診買いをしない場合はリスクを負って利益を得る性質が大きくなるということですね。
投資において最も重要なことは損をしない、つまりリスクを回避するということですから『打診買いは投資において必須のスキル』ということになります。
資金が少ない場合は打診買いはあまり気が進まないかもしれませんが、含み損を抱えてしまった場合に損切り以外にも、ナンピンという選択肢が増えることはかなりのメリットになるので、絶対に打診買いから入るようにしましょう。
ナンピン余力がなければそもそも買い増しやナンピンができないということは押さえておきましょう。
打診買いのデメリット

打診買いのメリットのお話でも軽く触れましたが、打診買いをすると得られる利益が小さくなってしまうというデメリットがあります。
例えば、1000円の株に8%の資金で打診買いをした場合と、33%の資金で全額投資をした場合では、株価が上がった初動で得られる利益が4倍近く変わってきます。
『33%』の資金は、3銘柄に資金を分散させた場合の、1銘柄分の資金の全額にあたる数字です。
多くの方は、『打診買いをせずに初めから全額投入していれば得られた利益があった』と考えて損した気分になってしまうと思いますが、打診買いで失う利益よりも、打診買いで抑えることができる損失の方が遥かに大きいのでデメリットは理解しつつも打診買いを実践してもらえればと思います。
打診買いをした後はどうするの?
打診買いをした後は、株価の動きに応じて、買い増し、ナンピン、損切りいずれかの選択をとるのが基本です。
打診買い後に買い増しをする
買い増しは、予想した通りに株価が動いた上で、まだ利益をとれる余地がある場合に行います。
もし仮に予想した通りに株価が上昇したとしても、利益を取れる余地がないと感じた場合には無理に買い増しをせずに、そのまま利益確定や継続保有をするといいと思います。
打診買いをする前に株価の値動きを予測しておくことがポイントです。
打診買い後にナンピンをする

ナンピンは、株価が下落した際に、再び株価が上昇するという根拠がある場合に行います。
上チャートは打診買いをした後にナンピンをすると非常に効果がある典型的な例ですが、このチャートのようにただの利益確定の売りによる一時的な株価下落の場合には積極的に打診買いとナンピンを使っていくといいと思います。
買い増しとナンピンどちらの場合も、余力の資金全てを一度に投入するのではなく徐々に投入することを心がけてください。
打診買い後に損切りをする
打診買いをして明らかに高値掴みをしてしまったと感じた場合には早めに損切りをしてしまうことをおすすめします。
ちなみに高値掴みとは株価が上がりきった状態で株を買ってしまうことです。
打診買いを始めると、余力が残っているので、ナンピンをするという選択肢が頭に浮かんでしまいがちですが、ナンピンは株価がしっかりと回復する見込みのある場合以外では、かえって損を大きくしてしまうので、潔く損切りをするという判断も忘れないようにしてください。
まとめ:打診買いでリスク管理を徹底しよう!
- 打診買いとは、資金の1部で株を買うこと
- 打診買いは資金の8%を目安にする
- 打診買いでリスク回避の比重が大きくなる
- 打診買いで利益が小さくなる場合がある
- 打診買いは投資の必須スキル
- 打診買いをした後は買い増し、ナンピン、損切りを上手く使い分ける
打診買いについて理解が深まったのではないでしょうか?
打診買いを覚えるだけでも総合的な勝率は飛躍的に高くなると思います。利益を得たいという感情的な投資ではなく、リスクを回避する賢い投資を心がけましょう。
記事を通して少しでもお役に立てたら嬉しいです。