株初心者の方の1番の悩みと言っても過言ではないのが利益確定(利確)のタイミングだと思います。買ったはいいもののいつ売ればいいか分からないという状態はかなりのストレスなのではないでしょうか?今回はそういった方の参考になるような利益確定のタイミング、コツについて解説します。
利益確定の基本的な考え方とは?
利益確定のタイミングについて考える上でまずは利益確定の基本的な考え方について知る必要があると思います。
損小利大という言葉を聞いたことのある方も多いのではないでしょうか?利益確定について考える上でこの『損小利大』の考え方を基礎におく必要があると思います。
損小利大というのは文字の通り損を小さくして利益を大きくするということです。すでに理解しているという方も多いと思いますが、実際に実行できていますでしょうか?
人によっては損小利大の意味を、負ける回数を減らして、勝ちの回数を増やすに置き換えている人がいるのではないかというのが個人的な予想です。それくらい『利大』というのは難しいと思います。
というのも、人は損をしたくないと考えてしまうので、既に出た含み益がなくなってしまう前に早く利益を確定したいと考えてしまうのが当然だからです。そんな中でもっと利益を大きくしようと考えて、含み益をなくす危険を冒す人というのはなかなか珍しいわけです。
ですが、『損小利大』という投資でとても大切な考え方に忠実でいるためには、その危険を冒して大きな利益をとりにいくことが必要になってきます。
利益確定のコツは?
利確の基礎的な考え方について押さえたところで実際のコツについてお伝えします。
いろいろな利確のコツがあると思いますが、私が実際に利用しているおすすめの方法は以下の2つです。
- 目標株価を決める
- 流れを掴む
目標株価を決める
株を買う際にまず、目標株価を設定します。目標株価と言うとかなり曖昧ですが、要するにどのくらいの株価が妥当かということですね。
目標株価を設定することで、どのくらいまで利益を伸ばすことができるかがより明確になります。先ほどでいう利大がやりやすくなるわけなんですね。
そしてこの目標株価ですが、PERとEPSを利用すると簡単に設定できるのでおすすめです。
株価=PER×EPSで求められることはご存知の方もいるかもしれませんが、株価をPERとEPSに分解して考えていきます。
PERは簡単に言えば、人気度でEPSとは1株当たりの利益、つまり実際の企業の業績が表れるものです。ですから将来の企業の人気度と業績をある程度予測することで株価も予測することができるわけです。
また、買った株の業績は変わらなくても、今後の社会の状況で人気度が増すと思えばPERの目標値×現在のEPSをすることで目標株価が算出できますし、人気度が変化せずとも企業の業績が良くなると思えば、目標のEPSを設定することで目標株価を求めることができます。
いくらまで上がるか分からない状態で利確のタイミングを見極めるよりも、どのくらいの株価が妥当なのかわかった上で利確のタイミングを見極める方が圧倒的に簡単です。
ここまで目標株価についてお伝えしましたが、PERとEPSはどのように設定すればいいかについて軽く触れたいと思います。
PER
PERは業種によって大きく異なる場合が多いです。例えば今話題のeコマース関連のBASE(4477)のようにPERが1000倍を超えるものもあれば、今逆風の携帯関連のKDDIのようにPERが9倍近い銘柄もあります。
ですからその銘柄が属している業種の人気度とその企業の人気度をある程度把握することができれば、目標のPERを設定することができます。
同じ業種のPERと過去のPER、話題性等総合的に判断してどのくらいの人気度、つまりPERになるかを予想することが大切です。
EPS
EPSは予想することが少し難しく思われるかもしれませんが、業績が上向いているのか、下向いているのかが分かればあとはそこまで難しくありません。というのも目標株価はある程度の目安であって的確に予想したとしても市場が適正な価格をつけるとは限らないからです。
EPSは上がるのか、下がるのかを過去のデータと現在の社会の状態から軽く予想するだけでもかなり効果があります。
相場の流れを掴む
相場の流れを掴むことも利確のタイミングを見極める上で非常に大切です。
目標株価に達していなくても、相場が過熱気味であったり、注目度がなくなってきた場合には利確をする必要があります。逆に目標株価に達していたとしても相場がまだまだ過熱気味でなく順調に株価が上昇しているなら利確のタイミングとしては早すぎます。
初心者にありがちな誤った利確の方法が、株価で決める、つまり目標株価のみで決めるというものです。場合によっては目標株価ですらない場合もありますが、このように株価で利確のタイミングを図るのは長期的に利益を出す上では絶対に避けた方がいいです。簡単にいうと取れる利益を逃してしまうからですね。
そして、利益をうまく伸ばして、潮時でしっかりと利確するためには目標株価に加えて相場の流れというのがとても重要になってくるわけです。
相場の流れを掴むポイントですが以下の指標を参考にするのがおすすめです。また、ここでは紹介しませんが当然チャートも大切です。
- 出来高
- 回転日数
出来高
出来高については日頃から確認されている方も多いと思いますが、出来高は相場の流れを掴む上でとても役に立ちます。
出来高が多いということはそれだけ注目されているということですから当然株価が上がりやすくなります。逆に出来高が少なくなると株価は上がりにくい状態になります。
ですからチャートにもよりますが、出来高がまだまだ多いうちに天井だと思ってすぐに利確をするのではなく、出来高が伴っている場合には目標株価を超えていたとしてもまだ上がる可能性を視野に入れて利益確定について考える必要があるわけです。
逆に出来高が低くなった後に株価が上昇する可能性というのは出来高が伴っている場合に比べて低いので、目標株価に到達していなくても一旦利確するのがおすすめです。
このようにして出来高を利用してある程度相場の流れを掴むことが可能です。もちろん完璧なわけではないので過信せずに総合的に判断する上で参考程度にするようにしましょう。
回転日数
次に回転日数です。回転日数とは簡単にいうと信用取引を開始してから平均してどのくらいで返済をしたかを表すものです。これが短く、5日をきる、ひどい場合には1日をきると相場が過熱している、つまり下落局面に近づいているということが分かります。(もちろん回転日数が短くならなくても下落する場合はあるので注意してください。)
出来高と回転日数をご紹介しましたが、利益確定をするにあたっては総合的に考えることが必要です。他にもいろいろな情報を参考にして株価が今後も伸びる余地があるのか、それとも下がる可能性が高いのかを判断するようにしてください。
まとめ:利益確定は柔軟に考えよう!
- 利確は損小利大を基本に考える
- 目標株価を設定したり、相場の流れを掴めばどこまで利益を出せるか考えやすい
- 株価だけで判断するのは危険
- 総合的に判断することが大切
利確について理解が深まったのではないでしょうか?利確はとても難しいですが、上達すれば勝率をあげることも夢ではないと思います。
自分なりに明確な根拠を持って判断することが重要なので、今回お伝えした方法もあくまで参考程度に留めて自分なりの利確のコツを見つけてもらえればと思います。
記事を通して少しでもお役に立てたら嬉しいです。