今回はオプション取引とは何かについて簡単に解説します。
オプション取引はあまり知られていないだけでものすごく活発に行われている取引で相場に与える影響力も強いのでこの機会に是非押さえてみてください。
オプション取引とは何か?
オプション取引とは、売買する権利を売買する取引のことです。
まず『売買する権利』について引っかかっている方が多いと思うので簡単に解説しますと、売買する権利というのは、将来、ものを決められた値段で買ったり、売ったりする権利のことです。
例えば10台限定生産の高級車があったとします。これは買おうと思って買えるでしょうか?おそらくですが、予約など何かしらの条件をクリアしなければこの高級車を買うことはできないと思います。つまり『買う権利』が必要なわけです。
つまり、『予約』が必要なんですね。
私たちがあまり意識していないだけで、買う権利、売る権利というものは実際にあるんだと言うことはなんとなく理解できたのではないでしょうか?
ちなみにオプション取引では買う権利のことをコール、売る権利のことをプットと呼ぶのが一般的です。
オプションの値段設定はどうやってきまる?

権利の値段は自由に決められるわけではなく、上のような計算式で求められます。
計算式についてもお伝えしたかったのですが、おそらく私自身も含めて誰も理解できないので割愛させていただきます。
この計算式はブラック-ショールズ方程式と言われるもので、ノーベル経済学賞をとっています。興味のある方はこちらからwikiに飛べますのでよかったら是非。
オプション取引のメリット
オプション取引のメリットは買い手側と売り手側で異なります。それぞれ見ていきましょう。
買い手側のメリット
買い手側のメリットとしては、損益は限られているのに大きな利益を期待できることです。買い手側は買った権利によって利益が得られる場合には、その権利を他人に売付けて利益を得たり、実際にお得に買ったりして利益を得ることができますが、買った権利で損をする場合には、その権利を放棄することができます。ですから実際の損失は、買う権利を買うために払ったお金だけです。
例えば新しいiPhoneが発売されるということで、価格は未定ですが、10万円でそのiPhoneを買う権利が1000円で売られていたとします。あなたがそれを買って、価格の発表を待ったところ、新しいiPhoneの価格は12万円でした。
そうするとあなたは1000円で『10万円でiPhoneを買う権利』を買ったので1万9000円分得をしたということになります。
ここであなたはそのままiPhoneを買うこともできますし、『10万円でiPhoneを買う権利』を他人に1万円で売りつけることもできます。
逆に、iPhoneの価格が8万円だった場合は、あなたは『10万円で買う権利』を放棄することができます。この場合、この権利をあなたに売った売り手が9万円のiPhoneを10万円で買わなくてはいけません。
ですから買い手側の損失は権利を買うのにかかった費用、ここでは1000円で済むわけです。
このように利益が出る場合は大きく、損をする場合は小さいというのが買い手側のメリットです。
売り手側のメリット
買い手側のメリットについてお伝えしましたが、売り手側のメリットはあるのでしょうか?買った側が損をした場合もその責任を取らなくてはいけない売り手側はかなり不利に感じますよね。
しかし、売り手側が存在しているからこそオプション取引というものがあるので、当然売り手側にもメリットがあるんです。
売り手側のメリットとしては、総合的に勝ちやすいということです。一見不思議に思われる方も多いかも知れませんが、実は買い手側よりも売り手側の方がトータル的には勝っているんです。
保険会社や宝くじを思い浮かべてもらうと分かりやすいと思いますが、こういったサービスやものを売る側というのは、あらかじめトータルで利益が出るように商品の価格設定がされている。
これと同じで、オプション取引の売り手側もトータル的に利益が出るように、買う権利の値段を設定しているんですね。
オプション取引のデメリット
残念ながらオプション取引にもデメリットがあります。
買い手側のデメリット
まず買い手側のデメリットですが、買い手側は買う『権利』の金額の千倍からしか取引できません。例えば100円の権利を買うとすると、その千倍の10万円からしか取引ができないわけです。
ですから私のように資金に余裕のない方にとっては少し厳しいかも知れません。もちろん権利の中でも高いものや安いものと様々なので折り合いをつけて購入してみるのもいいと思います。
また、先ほどお伝えしましたように売り手側の方がトータルで勝ちやすくなっているので、その分買い手側はトータルで負けやすいというデメリットもあります。
売り手側のデメリット
次に売り手側のデメリットですが、売り手側のデメリットはなんと言っても損失が無限大であることです。トータル的には勝ちやすいとは言ってもやはり損失が無限大というのはかなり怖いと思います。
まとめ:オプション取引を理解して選択肢の1つにしよう!
- オプション取引とは、売買する権利を売買する取引のこと
- 計算式は難しい
- 買い手側は損益は限られているのに大きな利益を期待できる
- 売り手側はトータル的に勝ちやすい
- デメリットもある
オプション取引について理解が深まったのではないでしょうか?オプション取引、先物取引はかなり活発に行われている取引なので知っておくことがかなり重要だと思います。また他にもいろいろな金融商品が毎年生み出されているので興味のある方はそういったものの情報をいち早く掴めるようにしておくといいと思います。
記事を通して少しでもお役に立てたら嬉しいです。