【株初心者向け】株におけるルールの決め方とは?基準と併せて解説

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株をやられている方の多くが『ルールを決めろ』と仰っているのを耳にした方多いのではないかと思います。

ただ、『ルールを決めろ』と言われてもそもそも何を基準にルールを作ればいいのかが分からずに悩まれている方多いのではないかと思います。

ということで今回は株初心者の方、これから株を始められる方がどのように自分なりのルールを決めていけばいいのかということについて解説します。

株でルールを作る目的

まず最初に、ルール作りをする目的について確認しておきたいと思います。

ルールづくりをする1番の目的は、損を減らすため

もっと踏み込んでいうと感情取引をなくすためです。

ルールに従って売買をすることによって、一時の感情だけで取引をしてしまうということがなくなるので損をする機会を減らすことができます。

これまでに株で損をしたことがある方は分かるかと思いますが、損をする場合というのは感情に流されて売買をしていることが多いです。

私自身、急騰中のITBOOK(1447)で感情取引をしてしまった苦い経験があるのでこれは間違いないのではないかと思います。

ルールの作り方

次にルールの作り方ですが、まずは以下の4点について決めていく必要があります。

  1. 資金配分をどうするか
  2. どういった銘柄を選ぶのか
  3. どういった基準で買うのか
  4. どういった基準で売るのか

もちろん、ルールは決めようと思えば山ほど決める必要がありますが、まずは最低限感情取引をしないで済むようなルールを設定しておくといいのではないかと思います。

また、いい機会だと思いますので、手元にメモ帳でもおいて、考えながら一緒にルールを設定してもらえればと思います。

資金配分をどうするか

ルールを作る上での1つ目のポイントは資金配分をどうするかということです。

資金配分を設定することで、大きなリスクを負ってしまう危険を排除することができます。

そしてこの資金配分も更に以下のように分けて考えることができます。

  1. 投資に充てる金額はいくらなのか
  2. 株式・債券・現金などの保有割合はどのようにするのか
  3. 株式、債券などはいくつに分散投資するのか

投資に充てる金額

資産配分の1つ目のポイントが投資に充てる金額をどう決めるのかということです。

投資に充てる金額をあらかじめ決めておくことで、必要以上に投資にお金を使ってしまったり、生活が苦しくなったりする危険性をなくすことができます。

投資に充てる金額は基本的に余剰資金で行いますが、この余剰資金は以下のように求めることができます。

余剰資金=貯蓄額−生活防衛資金

生活防衛資金というのは、非常時などに必要になるお金のことで、生活費の半年分が必要であるといわれています。ただ、それでも足りない可能性はありますので、最低でも生活費の半年分と考えていただければいいのではないかと思います。

また、この余剰資金の計算方法はあくまで目安でしかないので、余剰資金を求めた上で、実際にそれで十分かどうかというのはまた別で考えていただく必要があるかと思います。

保有割合

資産配分の2つ目のポイントが保有割合をどうするのかということです。

保有割合をあらかじめ決めておくことで、資産の全てを株式に依存するといったリスクが軽減できます。

保有割合に組み込めるものはたくさんありますが、株式、債券、金(きん)などのコモディティ、現金が一般的かと思います。

また、この保有割合ですが、投資をする目的、年齢などによって大きく変える必要があるので、ちょっと自分なりの工夫が必要になってきます。

例えば、働き盛りの20代の方であれば、資産を増やすために少しだけリスクをとって債券の割合を減らして株式の割合を多めにとる

逆に既に退職している70代の方であれば、資産を守るためにリスクをなるだけ小さくして株式の割合を減らして債券の割合を多くするといった感じです。

個人的には株を5割、債券を2割、暴落時に株を買うための現金が3割でいいと思っています。

皆さんはどのようにお考えでしょうか?

分散投資

資金配分の3つ目のポイントがいくつに分散投資するのかということです。

今お伝えした保有割合を決めた上で、株式、債券をいくつに分散させるのかということですね。

これを決めておくことで、株式、債券などの中でも更にリスクを分散させることができます。

またこれらについて決める際には、同じ業種をなるべく避けるということと、分散させすぎないということに注意をしてもらえればと思います。

例えば、ANAとJALの株に分散投資をしても同じ航空業ですので、どちらかが下がった場合には連動してもう一つも下がってしまう可能性が高いです。

その結果、分散投資の意味が薄れてしまいます。

個人的にはそれぞれ3〜10の範囲内で分散させるのが良いのではないかと思っています。

皆さんはどうお考えでしょうか?是非考えてみてください。

どういった銘柄を選ぶのか

ルールを作る上での2つ目のポイントはどういった銘柄を選ぶのかということです。

どういった銘柄を選ぶのかということを決めておけば、自分の専門外の株に飛びついて大損するといったことがなくなるので、かなり有効なルールだと思います。

自身の投資スタイルがある程度決まっている方は、投資スタイルを軸にして考えていくとかなり楽なのではないかと思います。

逆に言ってしまうと、投資スタイルが決まっていない段階でルールを作るのは非常に難しいです

まだ投資スタイルが決まっていないという方は、長期投資、短期投資、バリュー株投資、グロース投資、IPO投資、テーマ株投資、高配当株投資などから、先に1つ気に入った投資スタイルを選んでいただければと思います。

その上で下記の2点を主軸にルールを決めていってもらえればと思います。

  1. 自身の投資スタイルに合った銘柄のみを選ぶ
  2. 知識または自信ののある業種の銘柄のみを選ぶ

例えばバリュー株投資の場合

  • 割安な株のみを選ぶ
  • その中でも株価が回復する自信のある銘柄のみを選ぶ

と言った感じです。更に思いつくのであれば、

  • 東証1部から選ぶ
  • 中期経営計画がある銘柄のみを選ぶ
  • 仕手化されていない

という風に条件を足していってもいいと思います。

まだ、書き足すことがないという初心者の方も、実践して学んだことや、気づいたことを随時書き足していってもらえれば大丈夫ですので、今決められることだけでも決めておくといいと思います。

どういった基準で買うのか

ルールを作る上での3つ目のポイントはどういった基準で買うのかということです。

これを決めておくことで、焦りや欲といった感情を理由に株を買う機会というのがなくなるのでかなりリスクを軽減できるのではないかと思います。

これも先ほどと同じで、自身の投資スタイルが決まっている方は、投資スタイルを軸にして考えていくと楽かと思います。

各投資手法の買い時のシグナルになる指標やチャートの形を基準にルールを設定するのがおすすめです。

バリュー株投資であれば、PERやPBRを買いのシグナルとして利用することが多いので、それらの指標を用いて

  • PER15倍以下で買う
  • PBR1倍以下で買う

といったルールを設定するといいと思います。難しく考えずに、自身の投資スタイルの買い時はどういった時なのかということをそのまま設定してしまって大丈夫です

また、これも先ほどと同じように、自分なりに付け足せるものがあるのであれば、適宜修正していってもらえればと思います。

どういった基準で売るのか

ルールを作る上での4つ目のポイントはどういった基準で売るのかということです。

これを決めておくことで、感情で保有を続けて必要以上に損失を出したり、利益欲しさにすぐに利益確定をしてしまうという事態を避けることができます

これも先ほどと同じで難しく考えすぎずに投資スタイルの売りシグナルを参考にして設定していただけばと思います。

ただ、先ほどと違って売りは利益確定の売りのみでなく損切りの売りも含むので、損切りの売りのルールは追加で考えていく必要があります。

(利益確定の売りは、投資手法の売りサインがあるので参考にすればいいですが、投資手法による損切りサインというのはない場合が多いです。)

ということで簡単に損切りのルールについて触れておこうと思います。

損切りのルール

損切りのルールですが、以下の2つをメインに設定しておけばまず間違いないと思います。

  1. 損切りラインを指値で設定しておく
  2. 損切りラインを超えたら損切りを確実に実行する

慣れてくればこれにプラスして

  • 含み益が出るにつれて、損切りラインを引き上げる
  • ナンピンをする場合には感情以外の明確な根拠を持つ

といったルールを設けるのもいいのではないかと思います。長期投資では当てはまらないかもしれませんが、他の投資手法では、共通していえることだと思いますので参考になればと思います。

注意点

損切りのルールについて簡単に解説しましたが、最初にお伝えしたように、ルール作りは感情取引をなくすことが目的です。

そして、損切りをしなければならないタイミングで個人投資家の多くは無意識のうちに感情取引をしてしまっています。

ですから、これまで決めた資金配分、銘柄選び、買い、3つのルールを全て守ることができたとしても売りのルール、つまり損切りのルールを守ることができなければ感情取引をなくすことはできず、総合的に勝てる可能性はかなり低くなってしまいます。

このことを理解して、損切りのルールは特に意識していただければと思います。

まとめ:ルールを決めて感情取引をなくそう!

  • ルール作りは感情取引をなくすため
  • 資産配分、銘柄選び、買い、売りの大きく4つが必要
  • 資産配分は年齢と投資の目的を軸に考える
  • 銘柄選び、買い・売りの基準は投資手法を軸に考える

自分なりのルールの作り方についてある程度理解が深まったのではないかと思います。

自分自身でルールを作れる方は個人投資家の中でごく少数なので、ルールを作るだけでも他の投資家よりも優位になった気がするかもしれません。

ただ、残念ながらルールを作った方の中でも更にごく少数の方しか『ルールを守る』ということはできていないのが現実で、感情取引をして毎年9割の個人投資家が負けてしまっています。

せっかく努力をして勉強されている方にはそうなって欲しくないので、このことを押さえておいてもらえればと思います。

記事を通して少しでもお役に立てたら幸いです。

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