積立投資や、バリュー株投資などで長期保有をしている方多いのではないかと思います。
今回は長期保有をするにあたって知っておくべきポイントについて解説します。
長期保有は利益も大きくなる傾向になるので、1%、2%の利益率の差というのがとても大切になってきます。1%も損をしないように、今回お伝えすることを活用していただければ幸いです。
長期保有の4つのポイント
長期保有の4つのポイントは以下の4つです。以下詳しく解説します。
- 含み損の出る期間が長い
- NISAの期限に注意
- 下落局面で投資額を増やす
- 配当金は再投資
ポイント1:含み損の出る期間が長い
1つ目のポイントが、含み損の出る期間が長いということです。
投資を始める前は、利益が少しずつ伸びていくというイメージを持たれている方が多いかと思いますが、実際には、利益が出るどころか徐々に損が膨らんでいくことが珍しくありません。
つまり頑張って投資をすればするだけ損をするわけです。

こちらのチャートは1991年から2020年までの日経平均の推移です。
仮に1991年に日経平均を対象として積み立て投資を始めていた場合、2020年までに、50ヶ月つまり約4年近くもの期間含み損を抱えていたということになります。
ですから、長期保有をするにあたっては含み損を抱える期間が長くて当たり前という風な認識を持っておくことが大切です。
ポイント2:NISAの期限に注意
2つ目のポイントがNISAの期限に注意する必要があるということです。
これはNISAを利用されている方にしか該当しないかもしれませんが、今後役に立つかもしれないのでNISAを利用されていない方も参考にしていただければと思います。
NISAでは、非課税になる期間が5年に限られていますが、この期限満了後以下の3つの選択をとることが可能です。
- 売却をする
- ロールオーバーをする
- 放置する(特定口座に移動)
売却やロールオーバーをする分には問題はありませんが、放置をしていると特定口座に自動的に移されてしまった場合には問題が発生します。
この特定口座というのはNISA口座と違って非課税ではないので、特定口座に移動されたのちに利益が出て、売却を行うと利益に対して2割の税金がかかってしまいます。
そのため、結果的に損失が出ている場合にも課税対象となることがあるので注意が必要です。
例えばNISAで100万円の投資をして、5年後の期限満了時に10万円損をして90万円になっていた場合、放置をすると自動的にNISA口座から特定口座に移されてしまいます。
そしてこの時に、『90万円で投資を始めた』という風に機械に認識されてしまうため、90万円から利益が出た場合に2割の税金が徴収されてしまうことになります。
仮に90万円だった資産が100万円に戻ったとして、これを売却をしても10万円の利益のうち2割の2万円は税金として徴収されてしまうため、結果的になぜか損をしてしまうわけです。
現在NISAを利用している方、これからNISA口座を活用する予定のある方はNISAの期限に注意してどういった選択をとるか予め考えておくようにしましょう。
ポイント3:下落局面で投資額を増やす
3つ目のポイントが下落局面で投資額を増やすと利益率が高まるということです。
長期保有をされる方は、積み立て投資などで、毎月一定額の投資をすることが多いと思いますが、この方法は手間がかからない反面、利益率が小さくなってしまう可能性があります。
ですから、少々面倒かもしれませんが、下落局面に投資額を増額することで利益率を高めることが可能になります。
下の表は約30年間日経平均に積立投資をした際の利益率をまとめたものです。

4つの戦略を比較していて、左から順に
- 毎月1万円ずつ積み立て
- 毎月1万円ずつ、かつ日経平均が1万円未満の月は2万円増額
- 毎月1万円ずつ、ただし1万円未満の月は積立休止
- 毎月1万円ずつ、かつ2万円以上の月は2万円増額
となっています。
そして結果をみると、下落時に増額をした場合の利益率が最も高く、下落時に積立を休止した場合の利益率が最も低くなっています。
このことからも下落時に増額することがかなり有効であるといえると思います。
面倒かもしれませんが、利益率が2倍程度も変わってくるので、下落時には積立額を増額することをおすすめします。
ポイント4:配当金は再投資する
4つ目のポイントが配当金は再投資するということです。
長期保有をしていると、配当金や分配金がもらえる場合がありますが、こうした配当金は可能な限り再投資した方がいいです。
というのも再投資することで、複利の効果を生み出すことが可能だからです。

上の表は利回りと年数で、資産がどのように増えていくかをまとめたものです。
利回りというのは、毎年何%の利益が得られるかを表すものです。
利回り3%というと、100万円投資したら1年で3万円の利益が得られるということになります。
そして表を見ると、複利の効果で20年後には数倍にまで資産が増えることがわかります。
投資信託であれば、初めから分配金を再投資してくれるので、気にする必要はありませんが、ETFや個別株を長期保有している方は、各自で再投資を行う必要があるので注意してください。
長期的な資産形成を考えている方は、複利の効果を得るために是非配当金を再投資してみてはと思います。
まとめ:長期保有で資産を増やそう!
- 長期保有は含み損を抱える期間が想像より長い
- NISAの期限に注意して、適切な選択をする必要がある
- 下落した局面で増額すると利益率が良くなる
- 配当金は再投資して複利の効果を得るべき
長期保有で役に立つ知識が1つでも得られたでしょうか?
投資は知識をお金に変えるという行為なので、少し面倒かもしれませんが、モチベーションを保って毎日少しずつ勉強して知識を集積していくことをおすすめします。
記事を通して少しでもお役に立てたら幸いです。