【個人投資家で儲ける】機関投資家って何者?特徴と見抜き方、対応の仕方を解説!

最低限の株用語

今回は株をやる上でラスボスとも言える『機関投資家』について解説します。

機関投資家について知ることが株で継続して勝つための最低限の条件ともいえるので是非この機会に押さえて今後の投資に活かしてもらえればと思います。

機関投資家って何者?

『機関投資家』とは資金力も知識・経験も一流のプロ投資家のことです。

実際には、保険会社や銀行、年金機構といった金融機関の資金運用を担う投資家のことですが、分かりにくいと思いますので、プロの投資家と思ってもらって大丈夫です。

ちなみに機関投資家の反義語ともいえるのが『個人投資家』です。株をやっている一般の方々は全員この個人投資家ということになります。

機関投資家の特徴

機関投資家の特徴としては以下の5つが挙げられます。

  1. 基本的には長期投資がメインである
  2. 圧倒的な資金力がある
  3. 大型株をメインに運用する
  4. 情報収集に長けている
  5. 個人投資家で儲ける

特徴1:長期投資がメインである

機関投資家は銀行などが集めた顧客の資金を運用しているので、基本的には損失を出すことが許されません。

そのため、損失を出す可能性の高い短期投資ではなく、リスクの小さい長期投資をメインに資金を運用することが多いです。

特に、ROE・ROAが高くて経営が上手い企業を好む傾向があります。

ただし、『ヘッジファンド』と呼ばれる積極的に利益を追求する機関投資家も存在するので注意をしましょう。

そして、私たち個人投資家が特に注意する必要があるのはこのヘッジファンドの方です。

特徴2:圧倒的な資金力がある

機関投資家は銀行などの金融機関が多くの人々から集めた資金を運用するので圧倒的な資金力があります。

具体的な数字は決まっていませんが、機関投資家は一般に数百億円から数兆円の運用資金を有していると言われています。

左上のグラフは『誰が株を持っているのか』、右上のグラフは『個人投資家はいくらで株をやっているのか』を示したものです。

左上のグラフを見ると個人投資家は2割の株しか保有しておらず、8割以上の株を機関投資家保有していることがわかります。

このことからも機関投資家が圧倒的な資金力を持っていることがわかると思いますが、更に右上のグラフを見ると、個人投資家の中でも資金力にかなりの偏りがあることがわかると思います。

つまり、株の2割を個人が保有しているといっても、ごく少数がお金と株を持っているだけなんですね。

ちなみに、圧倒的な資金力を持つ個人投資家のことを『大口投資家』と呼ぶので押さえておくと便利です。

そのため、体感的には機関投資家の影響力が99%と考える必要があると思います。

特徴3:大型株をメインに運用する

機関投資家は資金力があるが故に、時価総額の小さい小型・中型株には参入することが難しいです。

例えば数十億円の資金を運用する際に、時価総額が100億円の企業の株を買ってしまうと、株の過半数を買い占めることになるので、買うだけで株価がありえない勢いで上昇してしまいますよね。

また、売る時も過半数の株を売るわけなので、株価が暴落する可能性が極めて高いです。

ですから、機関投資家は基本的に十分に資金が運用できるような『時価総額が大きく』、『出来高の多い』大型株をメインに運用していることが多いので押さえておくと便利です。

特徴4:情報収集に長けている

機関投資家は個人投資家では知り得ないような、『インサイダー』とも呼べる情報を得ています。

ですから、ファンダメンタル分析で機関投資家に勝とうとすることは無意味です。

もちろん機関投資家が参入しづらい小型・中型株ではその限りではないと思います。

『インサイダー』とは、会社の役員しかしらない世に出回る前の機密情報のことです。こういった情報を利用した投資は法律で禁止されていますが、実際に行われているかどうかは発覚しなければ分かりません。

特徴5:個人投資家で儲ける

ふるい落としのメカニズム

機関投資家は個人投資家を餌にして株で儲けます。先ほどお伝えしたように機関投資家は資金力があるので、資金力がない個人投資家をいじめて儲けることが可能なんですね。

例えば、株価1万円の株があって、この株を機関投資家が資金にモノを言わせて『空売り』した結果、売り圧力が働いて株価が9000円まで下落したと仮定しましょう。

空売り』とは、他の人の株を売り、それを安くで買い戻すことで差額分の利益を得ることができる方法のことです。

株価が下落すると個人投資家の損切りが出てくるので、これによって更に売り圧力が働いて、株価は更に8000円ほどまで下落してしまいます。

こうして株価が下落しきった段階で機関投資家は株を買い戻すことができます。9000〜10000円で株を売って8000円で買い戻しているわけですから機関投資家はこれだけでも利益を得ることができるわけなんですね。

このように機関投資家は空売りをして、個人投資家に損切りをさせるだけで楽に利益を得ることができます。

今、例に挙げた手法は『ふるい落とし』と呼ばれる手法ですが、機関投資家はこういった手法を用いて資金力のない個人投資家をいじめて利益を得るので、機関投資家の動きには注意する必要があります。

機関投資家の見抜き方

『見せ板』で見抜く

機関投資家を見分けるためには『板』を見るのが効果的です。

ちなみに『』とは、株の注文状況を見ることができる上のボードのようなもののことです。

もちろん、ただ板を見るだけでは機関投資家の存在を見抜くことは難しいですが、『見せ板』と呼ばれる『株を売買するフリ』を見つけることができれば、「機関投資家がいる」と判断して間違いないです。

ここでいう「株を売買するフリ」というのは、注文だけ出して、すぐにその注文を下げるという意味です。

具体的には5万株の売り注文をいきなり出して1分足らず注文を取り消すといった感じです。

見せ板の意図や実際の映像などは以前ご紹介しているので興味のある方は参考にしてみてください。

出来高の増加で見抜く

出来高の増加からもある程度機関投資家の存在を見抜くことが可能です。

ちなみに出来高とは株の売買量のことです。出来高100万株であれば、その日に合計で100万株が売買されたということになります。

というのも圧倒的な資金力を誇る機関投資家が株を売買した日は出来高が普段よりも大きくなることが多いからです。

ただ、出来高が増加しても個人投資家が増えただけの場合もあるので板やこれからご紹介する『機関の空売り残高情報』と併せて判別するのがポイントです。

機関の空売り残高情報で見抜く

『機関の空売り残高情報』を見ることでも機関投資家がその銘柄に潜んでいるかを見抜くことができます。

『機関の空売り残高』とは、その銘柄での機関投資家の空売りの残高、つまり空売りしたまま、それを買い戻していない株の残量のことです。

空売り残高があるということは、当然、機関投資家がいることになるので、『この銘柄には機関がいるんだな』というのがすぐに確認することができます。

他の方法と違って初心者でも100%機関投資家の存在を見抜くことができるので非常に便利ですが、一方で『機関投資家が空売りをしていない場合』、『取引量が少ない場合』などには空売り情報に表示されないという注意点もあります。

機関の空売り残高の見方

機関の空売り残高情報は、『残高数量』と『増減量』の2つを押さえれば理解することができます。

まず、『残高数量』とは、機関投資家が空売りして買い戻していない株の数のことです。

つまり、機関投資家がこれから買い戻さなくてはならない株がこれだけあるということなんですね。

次に、『増減量』とは、空売り残高、つまり買い戻さなくてはならない株の数が増えたのか、それとも減ったのかということです。

プラスであれば、機関が更に空売りをして残高が増えたということで、マイナスであれば機関が買い戻しを行って残高が減ったということになります。

機関の空売り残高はどこで見れるのか

機関の空売り残高情報は『機関の空売り残高+企業名』で検索をして、表示されるサイトで見ることができます。

気軽に見ることができるので、買いたい銘柄や気になる銘柄を見つけた場合には、機関投資家がいるのかを確認するといいと思います。

ちなみに検索しても上の画像のようなサイトが表示されない場合には、『企業名が正しくない』または『企業が上場していない』の2つの場合が考えられるので確認してみてください。

機関投資家にはどう対応すればいい?

結論からいうと私たち個人投資家は機関投資家を味方にすることが大切です。

というのも、圧倒的な資金力を持つ機関投資家に逆らって株の売買をすると絶対に利益を出すことができないからですね。

これを実行するためには、そもそも『機関投資家が銘柄に潜んでいるのか』、『機関投資家が今何を考えて、何を狙っているのか』といったことを正確に見抜く必要があるので一筋縄ではいきませんが、

今回ご紹介した機関投資家の見抜き方や特徴をしっかりと押さえれば、ある程度の動きを予測して、勝率を底上げすることができるようになると思いますので、一つずつ試してもらえればと思います。

まとめ:機関投資家の動きを見抜いて逆に利用しよう!

  1. 機関投資家は圧倒的な資金力がある
  2. 資金力が株価に大きく影響する
  3. 個人投資家は機関より圧倒的に弱く、絶対に勝てない
  4. 機関投資家を味方にすることが大切

機関投資家について理解が深まったのではないでしょうか?

機関投資家を意識して売買の判断をすることが、非力な個人投資家が勝率を上げていくためには不可欠です。

今、機関投資家は買っているのか売っているのかということは絶えず考えてリスク回避に活かしていきましょう。

記事を通して少しでもお役に立てたら嬉しいです。

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