踏み上げやふるい落としなど本ではあまり紹介されない大切な用語を知らない方多いと思います。
本で紹介されないだけで踏み上げ、ふるい落としともに機関投資家や大口投資家の絡んだとても重要なことです。
今後の勝率を上げるためにも踏み上げについてこの機会に押さえて今後の投資に役立ててもらえればと思います。
踏み上げとは何か?

踏み上げとは空売りをした個人投資家が損切り、つまり買い戻しを行うことで買いの勢いが強くなり、株価が上昇することです。
踏み上げの要因としては機関投資家や大口投資家による意図的な株価の上昇と、そうでない株価の上昇の2つがあります。
踏み上げの例

こちらはセプテーニ・ホールディングス(4293)の信用買残・信用売残を示したものですが、10月23日から10月30日の間に信用売残が160万株、割合にして70%以上減少していることが分かります。

上の画像は信用売残が激減したのと同時期のセプテーニ・ホールディングス(4293)のチャートです。
株価が300円代からいきなり400円代にまで暴騰しているのが分かるかと思います。あまり大した上昇に感じられないかもしれませんが、割合に直すと約30%の上昇とかなり高い上昇幅となっています。
一般的な損切りのラインは損失が5%〜10%程度、緩い方でも30%までには設定していると思いますので、10月23日から10月30日の間に信用売りで入った方はほとんどが損切りせざるを得なかったということになります。
踏み上げを利用した投資法
先ほどお伝えしましたように、踏み上げが起きると、『機関投資家、大口の買い』と『個人の損切り(買い戻し)』の2つの要因によって株価が上がりやすくなります。
ですから踏み上げを見越して買いを入れることができれば、利益を出すことができます。
タイミングとしては機関が買いを入れる前、そして個人が損切りするまでの間であれば利益を見込むことができます。
ただし、機関が踏み上げをする前に入る前に買いを入れるのは少し難易度が高く、運も絡んできそうです。
踏み上げの見抜き方
踏み上げを利用した投資を行うためには踏み上げを見抜く必要があります。
踏み上げを見抜くためには以下の2つが有効です。
板で踏み上げを見抜く

踏み上げを見抜くためには、板をみることが有効です。板を見ることで機関投資家や大口の投資家による踏み上げの予兆を見ることが可能になります。
例えば、1万株の買いがいきなり成り行きで入ったりした場合、これはかなり不自然です。なぜかというと、たくさんの資金を持っている機関投資家や大口投資家というのは、自身の買いだけで株価を上げてしまわないように、小分けして買いを入れるのが普通だからです。
例えば1000円の株が業績に関係なく、大量の買いが入ったことで1500円まで上昇したとしましょう。では、その企業の価値からして明らかに1000円が妥当であった場合、1500円になった株をわざわざ買おうとする人はいるでしょうか?
おそらくいないと思います。
株は自分が買った後に他の人が買わないと株価が上がりませんが、客観的に考えて、プロの投資家である機関投資家や大口投資家がこんなヘマをするはずがないんです。
にもかかわらずそうするということは、株価を上げたいという思惑があるからで、踏み上げをしているということが推測できるわけです。
信用買残・売残で踏み上げを見抜く

信用買残・売残も踏み上げを見極めるのに有効です。踏み上げの場合は信用売りをしている個人投資家が損切りをすることで株価が上がるので、信用売残が溜まっていないかを確認することである程度予測することが可能になります。
注意点ですが、信用倍率を見るのではなく実際の数値を見るようにしてください。
例えば信用倍率0.1倍であったとしても、そもそもの信用買残・売残が小さければ個人投資家が損切りをしても大した株価上昇は見込めないので一般的な踏み上げのように株価が上昇する可能性は極めて低いです。
踏み上げを利用する際の注意点
注意点1:踏み上げ後の下落
踏み上げ後は株価が上昇しますが、これは機関の意図的な上げと、それに伴う個人の損切りの結果に過ぎません。
つまり株価が上がり過ぎている状況である可能性があります。ですから、踏み上げ後は株価が下落する可能性を視野に入れて利確(利益確定)をするという意識を持っておくといいと思います。
もちろん損小利大の考えに基づいて利益を大きくしていくことは非常に重要なので、早すぎる利確は避けるようにしましょう。
注意点2:全額投資しない
全額投資をしてしまうと、万が一株価が下落してしまった場合に大きな損失を被ってしまうことになります。
こういったリスクを避けるためにも、資金は分散させ、かつ打診買いから入るようにしましょう。
注意点3:踏み上げかどうかを確認する
踏み上げを利用して利益を狙う場合には踏み上げかどうかをしっかりと確認するようにしましょう。
踏み上げでは、空売りで入った個人投資家が損切り(買い戻し)をすることによって株価が一時的に上昇するわけですが、この際に踏み上げが起きなければ株価が上がらずに下落してしまう可能性もあります。
ですから信用売残が溜まっているから踏み上げが起きるだろうと安直に物事を考えるのではなく、板をみるなどして踏み上げが起きる根拠があるかをしっかりと確認する必要があります。
注意点4:ふるい落としよりリスクが大きい
踏み上げを利用する投資法はふるい落としを利用したものよりもリスクが大きいです。
ふるい落としでは株が下がったタイミングで株を買うので、株価がそれ以上下がる可能性が低いです。一方で踏み上げでは、株価が上がったタイミングで株を買うので、株価が下がる可能性も大きくなります。
まとめ:踏み上げを利用して利益を狙おう!
- 踏み上げとは機関投資家や大口が意図的に株価を上げること
- 踏み上げを利用して利益を得ることができる
- 板や信用買残・売残をみて踏み上げを見抜く
- 踏み上げ後は株価が上がりすぎの可能性がある
踏み上げについて理解が深まったのではないでしょうか?踏み上げを見抜くことができるようになれば投資の幅も広がると思います。株価の急騰を見た際には好材料による株価上昇なのか、それとも踏み上げなのか考えてみることが大切です。
記事を通して少しでもお役に立てたら嬉しいです。