手数料が安い証券会社の方が他の証券会社よりも信用できるという考えに共感してくれる方多いのではないでしょうか?
今回は単元未満株(ミニ株)で有名なLINE証券、SBIネオモバイル証券、ワンタップバイの3つの証券会社で手数料負けの比較をしたので、もしよければ参考にしてみてください。
結論:SBIネオモバイル証券が一番手数料負けしにくい
最初に結論をお伝えしておくと、SBIネオモバイル証券・LINE証券・ワンタップバイの3社ではSBIネオモバイル証券が一番手数料が安いので手数料負けしにくいです。
とはいえ、一概には言えない部分もありますので以下解説していきます。
人によってはSBIネオモバイル証券は手数料負けしないと言い切っている方もいますが、誇張表現なので注意するようにしてください。
3つの証券会社の手数料比較
単元未満株を買うことができるワンタップバイ、SBIネオモバイル証券、ライン証券では、手数料(またはスプレッド)は以下のようになっています。
- ワンタップバイ→スプレッド0.5%
- SBIネオモバイル証券→月額220円
- ライン証券→スプレッド0.2〜0.4%
ちなみに『スプレッド』とは株を売買する際に、手数料があらかじめ株価に組み入れられる仕組みのことです。
例えば0.5%のスプレッドで1000円の株を買うと仮定すると、スプレッド分(手数料)が上乗せされて5円高い1005円の不利な状況から取引を始めることになります。
つまり、手数料無料と書いてあっても実際にはワンタップバイもライン証券も手数料ありと変わらないということですね。
また、買う際だけでなく、売る際にもスプレッドが発生するので注意が必要です。例えば先ほどの例で言うと、1000円で株を売る際に、5円のスプレッドが発生するので、955円で株を売ることになります。
『手数料負け』の仕組み
手数料負けは売却時に発生する手数料が、利益よりも大きくなってしまうために起こります。
例えば、スプレッド0.5%の証券会社で1000円の株を購入すると、『約定価格』、つまり実際に株を買った値段は1005円になります。
そしてこの株を1005円のまま売ったとしましょう。そうすると売る際にも1005円の株価に0.5%のスプレッドが発生するので、実際の売却価格は1000(実際には999.975)円になります。
つまり、株を買って同じ価格で売っただけなのに5円の損をしてしまう謎の状況が生まれるわけなんですね。
これがいわゆる『手数料負け』です。
『約定価格』とは実際に株が売買(約定)された金額のことです。例えば1000円の株価を見て株を注文しても、株価は常に上下しているので実際には1002円や、999円のような価格で約定する場合が多いです。
単元未満株で手数料負けする場合とは?
スプレッド制の証券会社で手数料負けをする場合
スプレッド制の証券会社、『ワンタップバイ』と『ライン証券』で手数料負けをするのは、スプレッドの幅未満の利益が発生した状態で株を売却した場合です。
例えばスプレッド0.5%のワンタップバイで、1000円の株を買うと仮定すると5円のスプレッドが発生して1005円で株を買うことになります。
そして0.3%の利益が出て1008円になったタイミングで株を売却したとすると、売却時に再度0.5%のスプレッドが発生するので実際にはスプレッド分の6円を引いた1002円で株を売却することになります。
結果、0.3%の利益が出た状態で売却をしたにも関わらずトータルでは、3円分損をするわけなんですね。
ワンタップバイ、ライン証券の手数料負けの場合をまとめると
- ワンタップバイで手数料負けをするのは0.5%未満の利益が出た状態で株を売却した場合
- ライン証券で手数料負けをするのは0.2%〜0.4%未満の利益が出た状態で株を売却した場合
となり、ワンタップバイとライン証券ではライン証券の方が手数料負けしにくい、手数料が安い証券会社であるといえます。
ライン証券は個別株によってスプレッドが異なるため、銘柄ごとに手数料負けの場合も違います。個別株ごとのスプレッドを確認したい方はこちらをご覧ください。
SBIネオモバイル証券で手数料負けする場合
ワンタップバイやライン証券と違ってSBIネオモバイル証券では手数料が月額のサービス代に含まれているので少し特殊です。
月の約定代金の総額が50万円以下と仮定すると、SBIネオモバイル証券の月額料金は220円(税込)となるので、この220円を売買回数で割った額が1回の取引にかかる手数料ということになります。
ただし、SBIネオモバイル証券では220円のサービス料を支払うとそのうちの200円が株を買えるポイントとして還元されるので、今回は実質的な手数料である『20円』を売買回数で割ったものを1回の取引の手数料と考えます。
この条件で月に10回の売買をしたと仮定すると、20円を10回で割るので1回あたりの手数料は2円ということになります。したがってSBIネオモバイル証券では2円未満の利益で株を売却してしまうと手数料負けするということになります。
まとめると、SBIネオモバイル証券で手数料負けするのは
難しくいうと『20円を1ヶ月の取引回数で割って1回あたりの手数料を算出し、その手数料未満の利益で株を売却した時』
月に10回、株を売買したとすると、『2円未満の利益が出た状態で株を売却してしまった場合』
ということになります。
よく分からないという方も、結局手数料負けしにくい証券会社が分かれば大丈夫なので気にしないで先に進んでもらえればと思います。
手数料負けしにくい証券会社はどこ?
スプレッド制のワンタップバイとライン証券ではライン証券の方が手数料負けしにくいです。
SBIネオモバイル証券は料金形態が違うため比較が少しだけ難しいですが、1ヶ月の約定代金の合計が4000円を超えるとワンタップバイよりお得、1万円を超えるとライン証券よりお得になります。
ちなみに1000円の株を1株買って、1000円で売るだけで約定代金の合計は2000円になるので、約定代金4000円は確実に超えると思います。
また、1万円に関しても社会人の方や大学生の方の大半が超えると考えられるため、SBIネオモバイル証券が一番手数料負けしにくいといっていいと思います。
まとめると、
SBIネオモバイル証券>ライン証券>ワンタップバイ
の順で手数料負けしにくい、つまり手数料が安い証券会社であるといえます。
また、1ヶ月の約定代金の合計が50万円に達するまではSBIネオモバイル証券のお得さが増していくのもポイントです。
手数料負けしないためための対処法は?
手数料が安い証券会社を選ぶ
手数料負けする可能性を低くするためには、手数料が安い証券会社を選ぶことが一番考えつきやすい方法かと思います。
先ほどお伝えしたように3社の中ではSBIネオモバイル証券が一番手数料が安くなっているので、ライン証券やワンタップバイを現在利用されている方はSBIネオモバイル証券を利用するか、証券会社の使い分けを行うといいのではないかと思います。
手数料負け関係なしに、そもそもネオモバイル証券の方が断然手数料が安いので、現在ライン証券やワンタップバイを利用されている方は証券会社の切り替えを考えてもいいと思います。
銘柄選びを丁寧に行う
手数料負けをする1番の原因はしっかりと利益が出せていないということです。
そのため、銘柄選びを丁寧に行って利益をしっかりと取ることができれば基本的に手数料負けを気にする必要がなくなります。
手数料負けがどうしても気になる、手数料が痛いという方は再度自分の銘柄選定を見直してみると利益率の向上につながると思いますのでおすすめです。
具体的には、以下のようなことについて見直すといいと思います。
- しこり玉のある銘柄に手を出してしまっていないか
→信用買残・売残をチェック!
- 『なんとなく』で株を買っていないか
→ファンダメンタルズ分析・テクニカル分析で株価予測をする!
- 投資スタイルに沿った銘柄選定ができているか、そもそも投資スタイルは定まっているか
→投資スタイルを仮にでも決定する!
→Yahooファイナンスや、日経新聞をチェック!
- 『手数料を安く抑える』、『利益率をよくする』の両面から解決できるといいですね。
分析ツールを使ってタイミングをしっかりと考える
手数料負けを防ぐためには、「どの銘柄を売買するのか」だけでなく『いつ買っていつ売るのか』という売買のタイミングを見極めるのも非常に重要です。
買うタイミングと売るタイミングの精度を上げることができれば、損をせずに済んだり、利益を大きく伸ばしたりとかなりの利益率向上につながるのは実際に売買をされた方もそうでない方もお分かりいただけるかと思います。
そして、この『売買のタイミング』を見極めるためには、『テクニカル分析』と言われる分析をする必要があります。
テクニカル分析とは簡単にいうとチャートを見て株価が今後上がるか下がるかを予測することですね。奥は深いですが、始めるだけなら意外と簡単なので難しく考えなくて大丈夫です。
テクニカル分析のやり方については以下の記事でやんわりと解説しているので興味のある方は参考にしてみてください。
ちなみに、テクニカル分析は『チャート』を見て行うのが基本ですが、単元未満株が買えることで有名なワンタップバイ、ライン証券、SBIネオモバイル証券はいずれもチャートなどのテクニカル分析に必要なツールが充実していないので、テクニカル分析に興味のある方はツール業界トップの楽天証券で口座開設をすると利用できる「アイスピード」か「マーケットスピード」を利用してみるといいと思います。
口座開設に自信のない方やスムーズに解説を済ませたいという方は以前解説の流れについて解説しているのでそちらを参考にしてみてください。
まとめ:手数料負けするなら証券会社と投資法を見直そう
手数料負けについて理解が深まったのではないかと思います。
『手数料無料』と伝えながらスプレッドがあったりと証券会社に振り回されて大変かもしれませんが、先を見据えて今やれる対策を打っていくことが大切だと思います。
記事を通して少しでもお役に立てたら幸いです。