相場サイクルという言葉を聞いたことがありますか?聞いたことがないという方、聞いたことあるけどよく分からないという方多いと思います。そこで今回は相場サイクルについて分かりやすくお伝えします。
今回参考にさせて頂いたのはこちらの本です。とても有名な本ですので、他の株本と比較した上で参考にしてみてはと思います。
相場サイクルの見分け方 ー銘柄選択と売買のタイミング【電子書籍】[ 浦上邦雄 ]
相場サイクルとは何か?
相場サイクルというのはピアノの鍵盤のドレミファソドレミ、、、と連続するように金融相場→業績相場→逆金融相場→逆業績相場→金融相場、、、と同じことの繰り返しになっていることです。

相場サイクルが重要な理由
相場サイクルを知ることはとても重要です。相場サイクルを意識することで相場の流れがわかるので、次に何の株が上がる傾向にあるかをいち早く察知することができます。もちろん相場サイクルに合致しない事例もいくつか確認されてはいますが、相場サイクルは蓋然性のあるものであることは確かです。また、相場サイクルを知ることで初心者でも仮説を立て、検証するという流れを作ることができるのも個人的にメリットであると思います。
仮説)今は〇〇相場だからA社とB社の株が上がるだろう
検証)A社の株が上がったがB社の株は上がらなかった
考察)A社は〇〇相場で株価が上がったが、B社は近年の競合が出てきたから伸びなかったのだろう。今後は競合もリサーチしてから企業を選ぶ必要がありそうだ。
相場サイクルの流れ
冒頭でもお話ししましたが相場サイクルは
金融相場→業績相場→逆金融相場→逆業績相場→金融相場、、、という風に循環しています。
金融相場とは
金融相場は不景気(逆業績相場)の状態から突入します。不景気では政府が金融・財政支援を行いだすので株価が急反発に転じます。その結果不景気であるにも関わらず株価が高くなるという状態になるのが金融相場です。株価は実際の景気に対して半年から1年ほど先に変動するという特徴があるので景気の回復を見込んだ株価とも言えます。では金融相場ではどういった株が高くなるのでしょうか?
金融相場での狙い目
まず上昇するのは債権や株式による出来高急増により大きな恩恵を受ける銀行・証券等の金利敏感株です。
続いて建設・不動産といった公共事業系、そして不況に強い電力・ガス・航空・鉄道といった公共サービス系、食品、医療品が上昇します。
金融相場の見分け方
金融相場は景気の悪い状態から突入するので、暴落していた株価がいきなり上昇・継続することで判別することができます。ここで注意したいのが暴落中にいきなり上昇してもまたすぐに下落してしまうフェイクのようなものがあることです。上昇してもそれが継続しなければ金融相場への突入ではないので注意しましょう。
業績相場とは
業績相場は先ほどの金融相場から突入します。業績相場は金融相場よりも業績を重視する現実的な投資が主流になります。また、業績相場はサイクルの中で最も安定して株価が上昇する期間であり、サイクルの中で最も長い相場です。ただし金融相場と比較すると少し緩やかな上昇となります。
業績相場での狙い目
狙い目は前半と後半で変化します。前半は繊維・紙パルプ・化学・ガラス・セメント・鉄鋼などの素材系、後半は自動車・精密機器・電気・機械等の加工産業が上昇します。特に前半では大型割安株が、後半は高収益の中・小型株が大きく上昇します。
業績相場の見分け方
業績相場の見分けるにはまず金融相場を見分ける必要があります。株価の暴落から金利敏感株を中心に株価が急激に上昇してきたら金融相場です。そこから素材系や加工産業の株価が上昇したら業績相場に突入したと考えるべきです。業績相場は明確にいつ始まるかは分からないので金融相場に突入したら前もって狙い目の株を買っておくといいでしょう。
逆金融相場とは
逆金融相場は業績相場の景気の良い状態から突入します。景気が良くなると金利上昇や公定歩合の引き上げによって株価が大きく崩れます。
逆金融相場での狙い目
逆金融相場では株価が下落していく傾向にありますが、景気自体はまだいいので(株価は景気より先に変動するんでしたね)財務良好で成長力の高い中・小企業は株価が上昇する傾向があります。一方で大半の株価は下落していくので利率の引き上げを確認したら超優良株(不況にも耐えられるもの)以外は売ってしまうのがいいです。
逆金融相場の見分け方
業績相場から素材産業や電力会社の株価が下落し始めたら逆金融相場に突入した可能性が高いです。逆金融相場では一時的に株価が上昇することもありますが、継続しないので注意してください。利率の引き上げがと密接に関係しているので利率に注意して株を売り払ってしまうのが得策だと思います。
逆業績相場とは
逆業績相場は逆金融相場から突入します。利率の引き上げに伴って企業の業績が悪化すると株価が下落し始めます。
逆業績相場での狙い目
逆業績相場ではどんな株でも大抵安くで買えるため、業界トップの優良企業の株を買うチャンスです。また次の金融相場に向けて金利敏感株を買っておくのもいいとでしょう。
逆業績相場の見分け方
逆業績相場は景気拡大に失敗した状態であると言えるため、見分けるための一定のパターンは存在しません。ただし逆業績相場が終わりに近づくほど株価の割高感が強まるという共通点があるので、PERを見ることである程度は予想できるかもしれません。
今は何相場で次は何相場が来る?
さてここまで相場サイクルについてお伝えしましたが今は何相場でしょうか?考えてみてください。
ちなみに2020年8月25日現在はコロナショックから数ヶ月が経ち金融相場となっています。
ちょっと悩むかもしれませんが、相場サイクルを掴んで、次は何相場が来てどんな株を買っておくべきかを考えてみましょう。
まとめ:相場サイクルを把握して流れに乗ろう!

- 相場は金融相場→業績相場→逆金融相場→逆業績相場で循環する
- 金融相場では金利敏感株が強い
- 業績相場では素材系と加工産業が強い
- 逆金融相場では成長力のある中・小企業が強い
- 逆業績相場は業界トップの優良企業の買い時
相場サイクルについてはある程度理解できたと思います。インプットで終わるのではなく、是非アウトプットをして投資に役立ててください。
記事を通して少しでもお役に立てたら嬉しいです。