仮想通貨(暗号資産)とは何か?仕組みやメリット・デメリットを解説!

知っておきたい株用語

今回は仮想通貨について解説します。何となく危険なイメージを持たれている方も多いかと思いますが、正しく理解すれば投資対象にもなりうる面白い金融商品です。

この機会に大枠を押さえて、仮想通貨を投資対象とするか否か考える機会にしてもらえればと思います。

仮想通貨(暗号資産)とは何か?

仮想通貨とは仮想上の通貨のこと

仮想通貨(暗号資産)とはデジタル通貨の一種であり、インターネット上で利用される仮想上の決済システムのことです。

『仮想』と付くように、実際には存在しない通貨のことで、私たちが使っている円などの形を持ったお金(法定通貨)とは異なります。

仮想通貨の仕組みはサトシ・ナカモトという人物が発明したと噂されています。

仮想通貨が存在するワケ

地球の外には宇宙が広がっているというのはほとんどの人が知っていることですよね。しかし、実際に宇宙をその目で確認した人というのはごく少数です。

つまり、私たちは実際に見てもいないものを、多くの人と一緒に認識することでそこに『ある』と判断しているんですね。

これと同じで、実際には見えない仮想上の通貨をそこに『ある』と認識することによって、その存在を確立しているのが仮想通貨です。

逆に言えば、仮想通貨が『ない』と認識すれば、仮想通貨は存在しないことになります

仮想通貨の種類

仮想通貨の時価総額トップ5

仮想通貨は世界全体で1500種類以上ありますが、日本ではそのうちの30種類が取引されています。

上の表は仮想通貨の時価総額トップ5ですが、ビットコインやイーサリアムといった仮想通貨が非常に有名なことが分かります。

時価総額とは規模と価値を示す指標のことです。仮想通貨の通貨全体の価値と規模感を示しています。

法定通貨とは何か?

法定通貨とは強制力を持った通貨のこと

仮想通貨と対比されるのが『法定通貨』です。

法定通貨とは、円やドルといった各国の中央銀行が発行する『強制力』を持ったお金のことです。

ここでいう『強制力』というのは、円やドルであれば支払いができるということを法律で保証しているということです。

逆に言えば仮想通貨は支払い能力を保証されていないので、一般的なお店のほとんどで決済手段として使用することができません。

現時点では仮想通貨の方が使い勝手が悪いと言えますが、アメリカのペイパルが加盟店でビットコインなどの仮想通貨による決済を可能にするなど、今後の利便性の向上が期待されています。

仮想通貨の仕組み

ブロックチェーンの仕組み

仮想通貨は『ブロックチェーン』と呼ばれるシステムによって成り立っています。

ブロックチェーンとは全ての情報を参加者全員で共有することができるシステムのことです。

仮想通貨ではこのブロックチェーンと呼ばれるシステムで全ての取引履歴をみんなで共有し、信頼性を担保しています。

例えばあなたが仮想通貨を買ったとするとその情報が全ての参加者に共有されるということです。

信頼性

ブロックチェーンによって、取引履歴をみんなで共有することができるので、形のない仮想通貨であっても認識がしやすくなり、信頼が生まれやすくなります。

セキュリティ対策

仮想通貨と聞くと、ハッキングが怖いイメージがあるかと思いますが、ハッキングをして一部の人の取引履歴を書き換えたとしてもブロックチェーンによって共有された他の人の取引履歴は書き換えることができていないので、全ての人の取引履歴を書き換えない限りはハッキングをすることはできません。

ブロックチェーンによって信頼性とセキュリティのどちらも揃っているので、ネット上で安心して取引することができるというわけなんですね。

仮想通貨の発行の仕組み

次に仮想通貨の発行の仕組みについてお伝えしますが、分かりやすいようにここではビットコインを例にしてご紹介します。

ビットコインは法定通貨のように中央銀行が発行しているわけではなく、マイニングというビットコインのチェック作業のようなものを1番最初に終えた人がその報酬としてビットコインをもらえるという仕組みで発行しています。

また、ビットコインの枚数には上限が定められており、2140年に発行が終わると決められています。

ちなみにマイニングはスーパーコンピューターを何台も使って行われており、ビットコインの7割を中国が保有していると言われています。

仮想通貨のメリット

政治や経済に左右されにくい

ビットコインは法定通貨と違って国や金融機関に信頼性やセキュリティを依存していないため、政治や経済に直接その価値を左右されることがありません。

そのため、国家の金融危機などで法定通貨の価値が暴落してしまう際にも、価値を保ってくれる可能性が高いので、リスク回避のための資産として非常に適しています。

ただし、政治や経済によって『間接的』にその価値を左右されることはあります。

流動性が高い

仮想通貨は一般的な法定通貨と比較すると手数料が安く、送金スピードが早いため流動性が非常に高いのが特徴です。

国や金融機関に依存しない仮想通貨だからこそのメリットと言えますね。

仮想通貨のデメリット

値動きが激しい

ビットコインの1年間のチャート

仮想通貨は、ギャンブル感覚で何も知らずに参加する人の数が増えたことによって無駄な売買が増え、値動きが必要以上に激しいのが特徴です。

上のチャートは1年間のビットコインの値動きを表したものですが、50万円代から200万円近くまでとその値幅は150万円近くに及んでいます。

円やドルで例えると、1ドル100円が1年間で1ドル400円になっているようなものですからかなり異常ですよね。

また、先ほどもお伝えしたように中国が保有しているビットコインの影響力が強いため、中国の動き次第では価値が暴落するなどさらに値動きが激しくなる事態も考えられます。

取引所がクラッキングされる可能性がある

ブロックチェーンの仕組みにより、ビットコイン自体のハッキングの問題はないということを先ほどお伝えしましたが、ビットコインを管理している取引所が狙われるということは十分に考えられます。

実際に、2018年にはネム(NEM)が取引所から大量に送金されてしまうという事件も起こっており、取引所が狙われて通貨が流出するといったリスクは否めません。

規制によって先行きが不透明

仮想通貨の仕組みであるブロックチェーンは、マネーロンダリングやテロ組織への資金源、租税回避、詐欺等に悪用される可能性が指摘されており、近年では世界中で一旦規制を厳しくする動きが広まっています。

マネーロンダリングとは犯罪で得たお金を送金したり、株や債券を購入したりすることで経路を分からなくする方法のことです。

こういったリスクから仮想通貨は通貨としては安全とは言えない状況にありますが、投資対象としてはありということで近年では『暗号資産』とも呼ばれています。

投資対象としておすすめの仮想通貨

仮想通貨を投資対象として考え、投資をするのであれば、メジャーなビットコイン、イーサリアム、リップルをおすすめします。

マイナーな仮想通貨の中には、もちろん伸び代の大きいものもあると思いますが、仮想通貨はその性質上まだまだ認められていない部分が多く、今後どうなるかわからないので、現時点で既に信用があるものを選択する方が賢明だと思います。

また、投資をする際は、資金の数%を上限にして、リスクを取りすぎてしまわないように注意して下さい。

まとめ:仮想通貨を正しく理解して、今後に注目しよう!

  • 仮想通貨とはインターネット上で利用される仮想上の通貨のこと
  • 円などの法定通貨とは強制力の有無で異なる
  • ブロックチェーンによって信頼性とセキュリティを担保している
  • 政治や経済に左右されにくく、流動性が高い
  • 値動きが激しく不安定な要素が多い
  • 投資はアリだが、メジャーなものがおすすめ

仮想通貨について理解が深まったのではないでしょうか?

仮想通貨は今後の動き次第では非常に面白い投資対象となり得るので情報をチェックしておくといいと思います。

記事を通して少しでもお役に立てたら幸いです。

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