信用買残、信用売残とは何か?具体的な利用法や注意点をまとめて解説

最低限の株用語

市況情報を見ていると信用買残・信用売残というものがあるのに気づかれた方いるのではないかと思います。

調べるのを後回しにされてしまいがちな響きの言葉ですが、実はとても重要な用語で、これについて知るだけでも今後の株価の値動きがどうなるかを予測する材料を得ることができます。

この機会に信用買残・売残について押さえて今後の投資に役立てていただければと思います。

信用買残とは何か?

信用買残とは、信用取引で買いを入れて、まだ売られていない株の残高のことです。例えば信用買残が100万株であれば、100万株が信用取引で買われたが、まだ売られていないということを意味しています。

つまり、信用買残100万株というのは、『これから100万株が売られる』ということなんです。

そして、100万株売られるということはそれだけ売りが強くなるということなので、株価は上がりにくく、下がりやすくなってしまうと考えられます。

もちろんその株の出来高にもよりますが、1日の出来高が10万株の銘柄で、信用買残が100万株あればかなり売りの圧力が大きくなることはわかるかと思います。

逆に出来高が1000万株の銘柄で信用買残が10万であれば、大した売り圧力にはならないと言えます。

このように信用買残をみる際には数値だけをみるのではなく、その銘柄の出来高と比較して相対的にどのくらいの売り圧力になるのかをみる必要があります。

また、これから解説する信用売残と比較しながら考えることも大切です。

信用売残とは何か?

信用買残とは信用取引で売りを入れて、まだ買われていない株の残高のことです。信用買残の逆ですね。

信用売残10万であれば、信用取引で10万株が売られたけど、まだ買い戻されていないということを意味しています。

要するに信用売残10万というのは、『これから株が10万株買われますよ』ということなんです。

そして株が買われるということは株価が上昇しやすくなる、買いの圧力が働くということを意味しています。

信用買残の時と同じように信用売残についても実際の数値ではなく、出来高に対する比率で数字を見ていく必要があります。

また、信用買残は売りの圧力、信用売残は買いの圧力をかけるので、これらの比率についても考える必要があります。

信用買残の方が信用売残より大きければ、それだけ売りの圧力がかかりやすく、逆に信用売残の方が大きければそれだけ買いの圧力が働きやすいということです。

信用買残と信用売残の期限

この信用買残と信用売残ですが、信用取引を始めてからいつまでに売ったり、買ったりしないといけないという期限が設けられています。

そしてこの期限ですが、6ヶ月以内に精算しなければならないという風に規定されています。ですから、今ある信用売残、信用買残も6ヶ月以内に必ず精算する必要があるものです。

つまり6ヶ月以内に信用買残・信用売残のぶんの買いや、売りが入るというわけなんですね。

現時点での信用買残・信用売残も大切ですが、それと同じくらい信用買残、信用売残が今後どのような影響を与えてくるかを考えることも大切です。

信用倍率とは何か?

信用買残と信用売残と併せて押さえておくべきなのが『信用倍率』です。

信用倍率とは信用売残の何倍分、信用買残があるかを意味しています。つまり売り圧力が買い圧力の何倍強いかということです。

信用倍率=信用買残÷信用売残

で求めることができます。

信用倍率が1より大きければ売りの圧力が強く、1を下回れば買いの圧力の方が強いという風に信用倍率をみることで、売り圧力と買いの圧力どちらが大きいかを簡単にみることができます。

信用買残・信用売残の具体的な利用法

毎日買残と売残を確認する

まず鉄則ですが、信用売残と信用買残は毎日確認するようにしましょう。

信用売残と信用買残は売りと買いの圧力どちらが大きいかを簡単にみることができるので、これを見なければ次の日暴落が起きたり高騰したりする予兆を見逃すことになってしまい兼ねません。

特に信用買残がとても大きくなって暴落する予兆は見逃すと大きな損失を生み出しかねないので要注意です。

信用買残・信用倍率が増えたら危険シグナル

信用買残または信用倍率が極端に上がったら危険信号として、注意をするようにしましょう。

信用買残が大きくなった状態は売り圧力が大きいので株価の上昇が見込めない上に、信用取引で大きな含み損を抱えている個人がいる証拠なので、機関投資家による空売りが入る可能性があります。

株価が上昇する明確な根拠がある場合以外は、リスク回避のために早めに引き上げたり、手を出さないという風にしてみるといいと思います。

もちろん信用買残・信用倍率が大きくなっても株価が上昇する場合はありますが、わざわざそういったリスクの高い銘柄を選ぶ必要はありません。

慣れないうちは多少面倒でもリスクの低い銘柄を探して投資をすることをおすすめします。

信用買残が大きくなったらどうなる?

信用買残が大きくなった例①

上の画像は古河電池(6937)のチャートです。

古河電池の信用倍率は約1万3千となっていてかなり売り圧力が大きくなっていることが分かります。

かなりの売り圧力がかかるので株価は全く上がる気配が見えず、出来高を見ても多くの人が去ってしまっている悲しい惨状となっています。

こういった銘柄は手を出さない、またはすぐに引き上げることをおすすめします。

信用買残が大きくなった例②

そして次にデ・ウエスタン・セラピテクス研究所(4576)。

とても言いづらく覚えにくいネーミングですが(失礼!)、こちらは文句のつけようがないくらい最高の教材となっています。

あまりチャートについて知識のない方も上のチャートを見て得体の知れない恐怖を感じたのではないかと思います。

異彩を放つ右端の長い赤棒は、『1日で株価が450円付近から374円に下落した』ということを意味しています。

(ちなみに赤棒の下の方は出来高の線と重なってしまっているだけなので気にしなくて大丈夫です。)

前日から株価が100円ほど上昇したすぐに、売り圧力が働いてそれを帳消しにしているので、かなりの売り圧力があったことはいうまでもないと思います。

なぜ、これほどまでに売り圧力が強いのか?ということが気になるかと思いますが、その一つの要因としてデ・ウエスタン・セラピテクス研究所の信用倍率が1万7千倍であったということが考えられます。

こういった信用買残の大きい銘柄は好材料が出ても売りの圧力が強すぎてなかなか株価が上がらない場合が多いので、信用買残がなくなる、または少なくなるまでは様子を見た方がいいと思います。

信用買残・信用売残の注意点

ここまで信用買残・信用売残についてお伝えしましたが、信用買残、信用売残をみる時に注意しなければならないことについても併せて触れておきたいと思います。

個人投資家の動きしか見れない

注意点の1つ目が、信用買残、信用売残は個人投資家によるものであるということです。

市場では資金力がものをいうので、資金力のない個人投資家よりも資金力のある機関投資家や大口投資家の動きに注目することが大前提ですが、

そもそも信用取引は資金の少ない個人投資家が利用するものなので、機関投資家や資金のある大口の投資家の動きを見ることはできません。

ですから信用買残、信用売残を見た上で更に『大口や機関投資家がどう動くのか』を考えて売り圧力と買い圧力のどちらが大きくなるのかを考えていく必要があります。

大口や機関投資家の動きは板読みや、出来高で確認することができるので、そういったところを合わせて確認するようにしましょう。

信用買残の恐れすぎに注意

次に注意点の2つ目ですが、信用買残を必要以上に恐れないようにしましょう。

先ほどと言っていることが矛盾しているように感じられる方もいるかと思いますが、実際にいろいろな銘柄の信用買残を見てみると多くの銘柄で信用買残が多くなってしまっています。

一般に株価が上昇していくとそれだけ注目を集めますから多くの投資家が売買に参加してくるので、そうすると利益を狙って信用取引をするような個人投資家の数も増えて信用買残が増えてしまうんですね。

逆に見方を変えると『信用買残が少ない銘柄は株価が上がっていない銘柄』または「個人投資家に人気がない銘柄」とも言えます。

嫌なイメージの強い信用買残ですが、優良な株と切ってもきれないものなので、毛嫌いせずに少しずつなれていくことも必要だと思います。

上の画像はKADOKAWA(9468)のチャートと信用買残・売残の推移を示したものですが、このように信用買残が数倍程度であれば株価が上昇していくケースというのは珍しくないので、チャンスだと思った場合や買いたい株がある場合には必要以上に恐れすぎないようにすることをおすすめします。

(ただし100倍など度が過ぎたものは注意!)

まとめ:信用買残・売残を見てリスク管理をしよう!

  1. 信用買残とは、信用取引で買いを入れて、まだ売られていない株の残高のこと
  2. 信用買残とは信用取引で売りを入れて、まだ買われていない株の残高のこと
  3. 信用取引は開始してから6ヶ月以内に精算される
  4. 信用倍率とは売り圧力が買い圧力の何倍強いか
  5. 信用売残と信用買残は毎日確認する
  6. 信用買残・信用倍率が増えたら早めに引き上げる、買わない
  7. 大口と機関投資家の動きも意識する

信用買残、信用売残について理解が深まったのではないでしょうか?信用買残、信用売残は株価に直接影響があるといってもいいくらい大切な指標です。面倒かも知れませんが必ず確認する習慣をつけましょう。

記事を通して少しでもお役に立てたら嬉しいです。

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