概算約定代金とは何か?なぜ高いの?安全なの?分かりやすく解説

知っておきたい株用語

株を始めたばかりの方で概算約定代金というものに驚かれた方多いのではないでしょうか?

私自身初めて概算約定代金を見た際にとても不安に感じて検索をしましたが、なかなか欲しい情報を得ることができませんでした。

そこで、今回は同じように悩まれている方のために、概算約定代金とは一体何なのか、そして安全なのかということについてわかりやすく解説していきます。

概算約定代金とは何か?

概算約定代金とは

概算約定代金とは株を成行注文するときにあらかじめ請求される代金のことです

成行注文とは『いくらでもいいから買う』という注文方法のことです。詳しくは後ほどまとめて解説します。

例えば上の画像に表示されているように、カドカワ(9468)の株が2586円のときに1株買うとすると、必要な金額は単純に2586円ですよね。

概算約定代金とは

しかし、この株価の時に株を買おうとすると、『概算約定代金』3030円を請求されます。

株価は2586円なのに、それより500円近く高い代金を請求されるんですね。

概算約定代金の計算方法

概算約定代金は『ストップ高』と呼ばれる、その日に株価が上がることができる上限額に設定されています。

そのため、その日のストップ高の株価を調べれば概算約定代金を求めることができます。

その日のストップ高の調べ方については以前ご紹介しているので、そちらを参考にしていただければと思います。

概算約定代金は安全?

結論からいうと概算約定代金は安全です。差額分の余ったお金はしっかりと返ってくるのでこのまま株を買ってもらって大丈夫です。

簡単に例えると、お子さんにお小遣いを頼む時にお金を余分に預ける感覚です。『牛乳を買ってきて』といっても、安くて人気のある牛乳が売り切れている場合や値段が変わっていたら買えないですよね。

これと同じで株も実際にその価格で買えるか確実ではないため『概算約定代金』という形で余分なお金を含めて金額で請求されるわけです。

とはいっても仕組みを知らない方はまだまだ不安だと思いますので、なぜ安全といえるのかということを概算約定代金が高い理由と株の注文の仕組みの点から分かりやすく解説します。

なぜ概算約定代金は高いのか?

概算約定代金がなぜ高いのかについて理解するためには、『現在の株価がどうやって決まっているのか』そして『株はどのように注文されているのか』という2つのことについて理解する必要があります。

株価は合意で決定するから

現在の株価がどのようにして決められているかご存知でしょうか?

現在の株価は、買い手と売り手の合意が起きて、実際に株が売買されることによって決められます

例えば、普段皆さんが買い物をするときは『100円でジュースを売りたい』という店側と、『100円でジュースを買いたい』という客との間で合意があるから売買ができるからですが、これと同じことが株の売買でも必要なんですね。

しかし、株価はジュースの価格のように決められたものではありません。

そのため、株を100円で売りたいという人もいれば、株を80円でもいいから早く売ってしまいたいという人もいるわけです。

そうなると、80円の方がお得に株を買えるわけなので100円では買わないけれど、80円で株を買いたいという人が現れるんですね。そうすると、売買の合意がなされるので実際に株の売買が成立します。

そして、この時の売買の価格が現在の株価になるわけなんですね。

株を確実に買うため

株を売買するための注文方法は2つあります。

1つ目は指値注文、2つ目は成行注文です。

指値注文とは、値段を指定して『この値段なら買う』という風に決めて注文をすることです。

対して、成行注文とは、『いくらでもいいから買う』という注文方法です。ただし、高い株を優先して買うのではなく、売る側が提示している一番安い金額から優先して注文されます。

指値注文では相手がその値段に合意した場合にのみ取引が行われますが、成行注文だと売りたい側が決めた金額にこちらが合意するという形で売買をすることになります。

つまり、成行注文の場合は売りたい側の希望額で株を買うことになるわけなんですね。

そのため、もし、現在の株価よりも高くで買うことになった場合、現在の株価分の資金だけでは株を買うことができなくなってしまいます。

しかし、あらかじめ高くなってしまっても買えるだけの資金を用意しておけば、もし仮に高い値段で売買することになっても売買をすることができます。

これが概算約定代金が高い理由です。

予備のお金として高い金額を請求しているわけなので、概算約定代金より安い値段で売買ができた場合余ったお金は戻ってきます。

概算約定代金の額で実際に売買されることはあるの?

概算約定代金=ストップ高なので、ストップ高になれば概算約定代金で売買が行われることになります。

しかし、ストップ高になることは滅多にないため、概算約定代金で請求された高い値段で売買が行われることはほとんどないと考えて大丈夫です。

大抵の場合今の株価か、ほとんど変わらない株価で売買をすることができます。ですから概算約定代金を見ても別に不安に感じる必要はありません

まとめ:概算約定代金は安全!安心して取引しよう

  1. 概算約定代金とは株を成行注文するときにあらかじめ請求される代金のこと
  2. 概算約定代金=ストップ高で計算できる
  3. 概算約定代金は安全
  4. 概算約定代金が高いのは株価が高くなっても株を買えるようにしておくため
  5. 概算約定代金で売買されるのはストップ高の時

概算約定代金と株の売買の仕組みについて理解が深まったのではないでしょうか?

概算約定代金の仕組みがわかればそこまで怖くなくなったと思います。株のリスクを正しく理解していい意味で安心して投資をしていただければと思います。

記事を通して少しでもお役に立てたら嬉しいです。

タイトルとURLをコピーしました